研究課題/領域番号 |
22K21044
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
内田 仁司 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (20736996)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 唾液腺 / 放射線障害 / 代謝障害 / 唾液分泌低下 / 口腔乾燥症 / 加齢変化 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線照射に伴う唾液分泌障害の予防法と治療法の確立へと展開するための基盤を提供するために、『放射線照射直後に生じる不可逆的な腺房細胞の喪失を伴わない一過性の唾液分泌低下』の詳細な発生機序および『放射線照射の長期経過後に生存している腺房細胞を適切に刺激することで再生療法に応用できるか』を検証する研究である。
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研究成果の概要 |
外分泌腺である唾液腺に対してエックス腺照射を行い、短期的(48時間以内)および長期的(照射後3か月)な影響の解析を実施した。短期的には、明らかな組織学的変化を認めないものの、唾液腺機能分子およびCell-cell contactに関する因子の一時的な発現変化を認めた。また、長期経過後には、腺房細胞様の塊(クラスター)の形成を認めた。このクラスターは腺房細胞の表現型を有しており、カルバコール刺激に対して応答し、細胞内カルシウムイオン濃度が上昇することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界において毎年数十万人以上が頭頸部腫瘍と新たに診断され、その多くが化学療法、放射線療法、外科的手術を組み合わせた治療を受ける。しかしながら、放射線照射の副作用として、口腔乾燥症が認められ、患者のQOLを低下させる原因の1つとなっている。本研究では、放射線照射に伴って正常組織に生じる変化を明らかにすることで、新規の放射線防護法や再生療法の研究基盤を提供することを目的とした。本研究により、放射線照射直後は機能的な変化および代謝障害を主な標的とした防護法となりうる可能性を示した。また、長期経過後には、生存している腺房細胞の賦活化により、分泌機能の回復および組織再生が誘導できる可能性が示唆された。
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