研究課題/領域番号 |
22K21048
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
中村 純基 日本大学, 歯学部, 専修医 (20962088)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯根膜細胞 / LRP1 / leptin receptor / 歯根膜幹細胞 / 骨免疫 / 歯の移動 / 歯周組織代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科矯正治療には、長い期間を要する。この期間を短縮するには、効率的に歯を移動する手法の確立が必須である。そのためには、歯周組織の代謝を制御する因子を同定する必要があるのだが、その因子はいまだ解明されていない。そこで、本研究では、歯根膜組織で骨代謝因子を制御するLRP1に着目し、歯根膜幹細胞のLRP1遺伝子を欠損させたマウスを用いて、歯周組織代謝にLRP1が関与することを検討する。さらに、この制御に骨免疫関連因子が関与することを調べる。これらの結果をもとにして、LRP1と骨免疫との関連性を解明することで、新たな歯の移動法の開発を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は、抜歯窩におけるLRP1陽性細胞の局在とLRP1の機能について検討した。その結果、抜歯後、早期にLRP1陽性細胞が出現し、その後、その細胞は抜歯窩内に骨組織を形成した。また、歯根膜細胞(PDLs)からLRP1遺伝子を欠損させると、PDLsの骨芽細胞分化能は抑制され、OPG発現が低下してRANKL発現は増加した。PDLsはLRP1を介して、OPGを発現してRANKLを抑えることで破骨細胞分化を阻害する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で、歯根膜細胞のLRP1が骨形成と骨吸収を制御する因子であることが示唆された。このLRP1の発現を調節することで、歯の矯正移動において圧迫側の骨吸収を促進させることが可能になると考えられる。また、急激な矯正移動を実施した際でも、LRP1の発現によって牽引側の骨形成を誘導することができるため、効率的に歯を移動することができる。本研究で明らかにしたLRP1の機能は、歯の矯正移動のみならず、骨折治癒など整形外科領域にも応用が可能な知見である。
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