研究課題/領域番号 |
22K21051
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
木下 優子 近畿大学, 大学病院, 助教 (90962803)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 薬剤関連顎骨壊死 / PAI-1 / 組織線溶系 / 糖尿病 / ビスフォスフォネート製剤 |
研究開始時の研究の概要 |
ビスフォスフォネート(BP)製剤の開発により、骨粗鬆症や悪性腫瘍骨転移の治療成績は飛躍的に向上したが、一方で、重大な副作用として顎骨壊死(BRONJ)が問題になっている。癌患者の長期生存率の向上に伴いBRONJ患者数は増加しているが、そのメカニズムには未だ不明な点が多く、治療方法が確立されておらず根治が難しいのが現状である。 申請者らは、糖尿病モデルマウスを用いた検討によりPAI-1が骨修復遅延に関与することを見いだした。本研究は、BRONJモデルマウスを用いて、BRONJ発症メカニズムと、発症・増悪過程におけるPAI-1の関与を検討することにより、BRONJの治療法を改良することを目的とする。
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研究実績の概要 |
BRONJのメカニズムには未だ不明な点が多く、治療方法は確立されておらず、根治が難しい。申請者らは、糖尿病(DM)モデルマウスを用いた検討により、plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)が、骨修復遅延に関与することを見いだした。本研究では、BRONJモデルマウスを用いて、BRONJの発症メカニズムと、発症・増悪過程におけるPAI-1の関与を検討することにより、BRONJの発症予防や治療成績を向上させることを目的としている。 昨年度は、野生型(WT)マウスとPAI-1遺伝子欠損(PAI-1KO)マウスを使用し、ゾレドロン酸(ZA)投与により破骨細胞機能を抑制させた状態で、上顎第一大臼歯の抜歯を行うことでBRONJモデルの立ち上げを行い、BRONJモデルマウスの抜歯窩は抜歯後4週経過しても治癒することはなく、抜歯窩の周囲骨が壊死しており、顎骨壊死が誘発されることを確認した。さらにストレプトゾトシン(STZ)を投与することでDMを誘発し、顎骨壊死発症への影響を解析している。具体的には、①WT、ZA(+)、STZ(-)②WT、ZA(+)、STZ(+)③PAI-1WT、ZA(+)、STZ(-)④PAI-1KO、ZA(+)、STZ(+)の4群を設定し、マウスの上顎第一大臼歯を抜歯した後、1、2、3、4週間後にマイクロCTで撮影し、抜歯窩に生じた新生骨を評価することで、創傷治癒遅延や顎骨壊死発症の状況について解析を進めてきた。さらに、抜歯4週後に解剖を行い、上顎骨を摘出し、抜歯窩の治癒過程の組織学的解析を進めてきた。今後、BRONJ発症のメカニズムにおけるDM状態の影響や、DM状態による血清PAI-1上昇のBRONJ発症への影響等を詳細に検討してく予定である。
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