研究課題/領域番号 |
22K21053
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
根本 昂 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (20964836)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯周炎 / 歯肉炎 / 細菌叢 / メタトランスクリプトーム / 歯周病 / メタゲノム / マルチオミックス / 細菌 / バイオインフォマティクス / ゲノム / オミックス |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病は病的な口腔細菌により歯周組織破壊が生じ、歯の喪失および口腔機能の低下を招くだけでなく、全身の健康にも悪影響を与えることが示唆されている。歯周病の重症化予防には発症初期段階で原因となる病的変化を的確に捉え、速やかに治療介入することが望ましい。しかし、歯周病に関わる細菌叢の変化を経時的に検討した報告は少なく、細菌学的データを早期加療の判断指標として用いるまでの十分なエビデンスはない。 本研究では、歯周治療前後で疾患部位の細菌叢および宿主発現遺伝子に対して網羅的な解析を行う。疾患の発症・進行・再発などにみられるバイオマーカーを明らかにし、歯周治療における新たな病状評価法への応用開発を目指す。
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研究成果の概要 |
歯周病はプラーク中の細菌が病原性を増し、炎症性の歯周組織破壊を引き起こす感染症である。本研究では、歯周病治療前後のプラークからDNAおよびRNAを抽出し、次世代シーケンサーでメタトランスクリプトーム解析を実施。細菌叢組成と活動性を評価し、臨床症状と併せて解析した。治療前後で歯周炎部位の細菌多様性に有意な差が認められ、特にStreptococcus sp, Treponema denticola, Tannerella forsythiaの減少が顕著であった。治療により一口腔単位で細菌叢の変動が確認され、健常部位でもディスバイオーシスが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、歯周病治療前後のプラークから細菌の遺伝子を解析し、細菌の変動を詳しく調査した。治療により病原性の高い細菌が減少し、口腔の細菌バランス、すなわち細菌叢が変動することや、健康に見える部位も細菌叢の乱れがあることを確認した。この成果は、治療前後の歯周病罹患歯の細菌叢について明らかにした数少ない報告であり、歯周病予防と治療に対して新たな指針を提供し、口腔の健康維持においての新たな洞察をもたらした。
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