研究課題/領域番号 |
22K21056
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石通 秀行 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 非常勤講師 (90964635)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 鼻呼吸障害 / wnt3a / wnt signal pathway / 口腔機不全 / 咀嚼障害 / 海馬 / 記憶学習機能 / BDNF |
研究開始時の研究の概要 |
鼻呼吸障害を患う成長期の児童には、読解力・数学力の低下が認められるといった呼吸機能障害と記憶・学習機能の関連性についての臨床報告が見受けられる。しかし、成年期における鼻呼吸障害とその回復が、記憶・学習機能を司る海馬の機能変性に与える影響とその分子メカニズムに関する報告は国内外問わず見当たらない。本研究ではマウスモデルを用いて、成年期鼻呼吸障害とその状態からの回復が、海馬に与える変調を行動実験、生化学的手法を用いて明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
鼻呼吸障害を患う成長期の児童には、読解力・数学力の低下が認められるといった呼吸機能障害と記憶・学習機能の関連性についての臨床報告が見受けられる。しかし、成年期における鼻呼吸障害とその回復が、記憶・学習機能を司る海馬の機能変性に与える影響とその分子メカニズムに関する報告は国内外問わず見当たらない。本研究ではマウスモデルを用いて、成年期鼻呼吸障害とその状態からの回復が、海馬に与える変調を行動実験、生化学的手法を用いて明らかにしていく。 記憶学習機能の中心である海馬の発達には、BDNF(脳由来神経栄養因子)とその受容体であるTrkBの結合によって生じるBDNF/TrkBシグナルの発現が不可欠である。応募者のグループは、成長期鼻呼吸障害はマウス海馬において、BDNF/TrkBシグナル発現低下を介した記憶学習障害を引き起こすことを明らかにした。一方、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎といった鼻呼吸障害を訴える成人患者は、近年増加の一途をたどっている。しかし、成人期鼻呼吸障害とその回復が海馬に与える影響に関してこれまで明らかにされていない。そこで我々は、「成人期鼻呼吸障害とその回復が顎顔面領域および高次脳機能に与える影響、特に記憶学習 機能を司る海馬にどのような影響をもたらすかについて、行動学的、生化学的、組織学的手法を用いて多面的に解明する」ことを本研究課題の具体的な目的として遂行する。 鼻呼吸障害からの回復がBDNF/TrkB signalingに与える分子学的メカニズムを検討することは、今後推進すべき重要な研究分野と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
鼻呼吸障害マウスの飼育の1クール目が終わり、行動学的な記憶・学習機能の評価が進んでいる。組織学的解析を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の実験のおいて、realtime PCRによるmRNAの評価、染色による組織学的評価を行っていくことで、成年期鼻呼吸障害が記憶学習機能障害に与える影響を分子生物学的に評価する方針となっている。また咀嚼機能障害との関連についても研究を進めていく。
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