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腫瘍性骨破壊の表現型を決定する免疫学的機序

研究課題

研究課題/領域番号 22K21058
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0907:口腔科学およびその関連分野
研究機関大阪大学

研究代表者

高畑 惣介  大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90964875)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード口腔腫瘍 / 歯肉癌 / 扁平上皮癌 / RANKL / 破骨細胞 / IL-7 / 骨破壊 / CD4
研究開始時の研究の概要

悪性腫瘍の骨病変は破骨細胞の活性化による骨吸収促進が主体であり、口腔扁平上皮癌も同様の機序とされる。口腔扁平上皮癌の骨病変に特徴的なのは、著しい破骨細胞誘導によって穿孔性に骨組織が破壊される「浸潤型」と、骨破壊が緩徐で破骨細胞の異常な活性化に乏しい「圧迫型」に大別される点にある。骨吸収型はその後の予後にも影響し治療戦略に重要であると考えられるものの、 生物学的な理解は進んでいない。我々は骨吸収という表現型決定にリンパ球の分化・維持に重要な液性因子が重要である可能性を先行研究にて見出してきた。本研究は動物モデルの解析や患者検体を用いて、表現型出現に関連するリンパ球の挙動を明らかにする。

研究成果の概要

SCCVIIの2種類の亜株を用いて低吸収型と高吸収型の2種類の病態モデルを作成し、腫瘍組織を比較した。骨と近接する腫瘍先端領域の解析において、高吸収型に出現する破骨細胞(TRAP陽性細胞)は低吸収型と比較して破骨細胞数が多いだけでなく細胞質が大きく、骨と隣接する部分以外にも分布しまた単球由来ではない樹状細胞由来のCD80陽性TRAP陽性細胞が腫瘍先端に多数集積し、抑制型T細胞には両者の違いを認めなかったものの、樹状細胞由来の病的な破骨細胞分化に関わるとされるCD4陽性T細胞は高吸収型で多く蓄積することを認めた。病的な骨吸収には生理状態では出現しない破骨細胞の関与が示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

歯肉癌、歯肉原発の口腔扁平上皮癌の顎骨内への進展は破骨細胞の活性化による骨吸収が主体である。破骨細胞の積極的な誘導によって癌が顎骨を穿孔性に骨吸収する「浸潤型」と破骨細胞の誘導に乏しく緩慢に骨吸収する病態「圧迫型」に大別され、歯肉癌の骨吸収型は組織学的悪性度の指標になっている。 先行研究において、腫瘍細胞から産生される液性因子インターロイキン7 (IL-7)が浸潤型の骨吸収の出現に寄与する可能性を見出した。また本研究において腫瘍細胞由来IL-7のみならずの免疫機構の変化の詳細が明らかになることで新たな新薬開発などの臨床応用の可能性という点において非常に意義のある研究であると考える。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌で認められる骨病変の表現型に関与する分子メカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      簑原雅人  宮川和晃  山下翔平 高畑惣介  田中晋
    • 学会等名
      大阪大学歯学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌の骨病変における細胞性免疫と破骨細胞との関係2023

    • 著者名/発表者名
      簑原雅人 宮川和晃 山下翔平  高畑惣介  田中晋 古郷幹彦 相川友直
    • 学会等名
      日本口腔外科学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 口腔扁平上皮癌の骨病変における細胞性免疫の関与2022

    • 著者名/発表者名
      蓑原雅人、宮川和晃、山下翔平、高畑惣介、相川友直、田中晋
    • 学会等名
      口腔科学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-09-01   更新日: 2025-01-30  

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