研究課題/領域番号 |
22K21062
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
力武 航大 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (20964638)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 再生医療 / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
口唇裂・口蓋裂を有する患者の顎裂部に対して、腸骨移植が行われているが、腸骨採取による疼痛や歩行障害は患者にとって大きな負担となる。我々は患者の負担を軽減するため、乳歯歯髄由来間葉系幹細胞(SHED)と表面抗原CD146を有するSHEDに着目し、CD146+SHEDが骨再生能を有している事を解明した。しかし、CD146がどの様にSHEDの骨再生に関与しているのか、詳細なメカニズムは未だ不明である。以上の背景より、本研究では、CD146+SHEDを応用した新規の顎裂部骨再生治療法の確立を目指すことを研究の全体的な構想として、CD146がSHEDの骨再生機構に及ぼす影響を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
歯髄細胞における CD146+細胞の含有率算出と細胞増殖能の検討では、SHEDおよびhDPSCsの CD146+細胞の細胞増殖曲線、細胞倍加時間について、ELISAを用いて、ヘテロな細胞集団(対照群) と比較・検討した。CD146+細胞の含有率はSHED、hDPSCs間に有意な差は認められなかった。細胞増殖に関しては、SHED、hDPSCsともにCD146+細胞とヘテロな細胞集団間に有意差は認められなかった。 歯髄細胞におけるCD146+細胞の骨分化能の検討ではCD146+SHEDおよびヘテロなSHEDの細胞集団について、骨分化誘導を行い骨形成関連マーカー(ALP、OCN、BSP 等) の発現について、定量PCRを用いた遺伝子解析、および定量western blot 解析を行った。骨分化誘導21、28日目では、ALP、BMP-2、OCNのいずれにおいても、CD146+SHEDにおいて有意に高い遺伝子発現を認めた。定量western blot 解析においてもPCRと同様の傾向が認められた。 以上よりCD146+乳歯歯髄由来間葉系幹細胞は骨分化能が高い性質を有することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
定量western blotの結果ではPCRと同様の傾向が認められたが、さらにn数を増やす必要がある。しかしながら、歯髄細胞が不足している。そのため乳歯抜歯の患者に協力をお願いしているが、歯根や歯髄が十分に残存した乳歯を抜歯するケースが少ないため研究計画に少し遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
患者からの乳歯歯髄細胞採取を待つことで研究に遅れが生じるようであれば、乳歯歯髄細胞の購入を検討する。そのうえで、定量western blotやラットの口蓋裂モデルへの移植実験を行う。
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