研究課題/領域番号 |
22K21064
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0907:口腔科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西村 優輝 九州大学, 歯学研究院, 助教 (40961925)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歯肉幹細胞由来エクソソーム / 膵β細胞機能 / 糖尿病性歯周炎 / 膵β細胞 / Xaf1 / エクソソーム / 抗炎症作用 / アポトーシス / XAF1 / 実験的歯周炎モデル |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病と歯周病はそれぞれの病態に相互に影響を及ぼしうる。 本研究では、歯肉幹細胞由来エクソソームの抗炎症効果、および膵β細胞における X-linked inhibitor of apoptosis(XIAP) associated factor 1(Xaf1)の発現を介した膵β細胞のアポトーシス誘導に着目した。 膵β細胞特異的Xaf1過剰発現マウスを用いて、ヒト歯肉幹細胞由来エクソソームの抗炎症作用が膵β細胞アポトーシスを抑制し、糖尿病および歯周病の病態を改善させるかどうかを明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
まず、マウス膵β細胞(βTC6)に飽和脂肪酸であるパルミチン酸(PA)刺激を行った。PA単独刺激群(PA群)とヒト歯肉幹細胞由来エクソソーム(Exo)を添加したPA刺激群(PA+Exo 群)での比較検討を行い、Xaf1発現を解析した。結果、膵β細胞(βTC6)ではPA群とPA+Exo群間でXaf1発現に有意な差は見られなかった。次に、マウスマクロファージ(RAW264.7)に同様にPA刺激を行った。PA群とPA+Exo群での比較検討を行い、Ifnβ発現を解析した。結果、マウスマクロファージ(RAW264.7)では、PA 群に比較して、PA+Exo群で有意にIfnβ発現が減弱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト歯肉幹細胞由来エクソソームの抗炎症作用は、in vitroにおいてマウスマクロファージ(RAW264.7)で選択的に確認されることを確認した。これを受け、in vivoにおいてもマクロファージを介したエクソソームの抗炎症効果が期待できるとの仮説を得た。すなわち、ヒト歯肉幹細胞由来エクソソームは直接的に膵β細胞のアポトーシス抑制に関与しないが、マクロファージを介する抗炎症効果によって間接的に膵β細胞のアポトーシスを抑制すると考えられる。この研究により、将来的にはエクソソームのマクロファージを介した抗炎症効果による糖尿病および歯周病双方の進展抑制を目指した治療薬開発が期待できる。
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