研究課題/領域番号 |
22K21076
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
上野 貴之 千葉大学, 予防医学センター, 特任研究員 (20961999)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会参加 / 高齢者 / 日常生活機能 / 社会疫学 / 健康長寿 / 健康の社会的決定要因 / トラジェクトリ |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会において日常生活機能低下の予防策の確立のためには、低下のタイミングやプロセスを明らかにすることが、高齢者個人へのケアと政策の両レベルで重要である。本研究では、約10万人の高齢者の最大12年間の追跡調査により、1)高齢者の日常生活機能低下にはどのようなパターンがあるのか、2)高齢者の日常生活機能低下の各パターンと関連する個人要因は何か、3)高齢者個人の日常生活機能に影響を与える社会環境要因は何か、の3つを解明する。本研究により、終末期の日常生活機能低下の予防策を個人レベル及び社会環境レベルの両面から戦略的に進めるための、根拠資料を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
超高齢社会において日常生活機能の低下の予防策の確立のためには、低下が始まるタイミングやプロセスを明らかにすることが、高齢者個人へのケアと政策の両レベルで重要である。本研究の目的は、1)高齢者の日常生活機能低下にはどのようなパターンがあるのか抽出する、2)高齢者の日常生活機能低下の各パターンと関連する個人要因を解明する、3)高齢者個人の日常生活機能に影響を与える社会環境要因を解明する、の3つである。 2022年度は、主に 目的1)、2)に取り組んだ。応募者が所属する日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study: JAGES)が2010年に31市町村約10万人の高齢者を対象として実施した郵送調査データをベースラインとし、 その後6年間の要介護認定・死亡情報を含む追跡データを用いて、縦断研究を実施した。混合軌跡モデリング法で抽出した。その結果、対象者の死亡に至る日常生活機能の低下パターンとして、5パターンが抽出された。本成果はAge and Ageingに掲載された(共著)。 続いて、抽出された日常生活機能の低下パターンに、高齢者の個人要因がどのように関連するのかを検証した。申請者は、高齢者の死亡リスクや要介護認定の発生リスクに関連を持つ「社会参加」に着目した。ベースライン時に社会参加している高齢者は、その後の死亡前3年間の日常生活機能の低下パターンにどのような関連を持つのか、多項ロジスティック回帰分析を用いて検証を行った。その結果、社会参加している高齢者は、死亡前3年間において軽度の機能障害パターンを辿ることと関連していることが明らかとなった。本成果は、2023年6月に国際学会(Society for Epidemiologic Research)で発表予定であり、現在英文誌への投稿準備中である(筆頭・責任著者)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画通りのデータ整備が完了し、想定した分析も順調に進んでいる。学会発表、論文執筆も予定通り進んでおり、2023年6月に国際学会で発表、2023年度中には論文もアクセプトされる見込みである。 以上の通り、概ね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は目的3)「高齢者個人の日常生活機能に影響を与える社会環境要因を解明する」に取り組む予定である。近年、社会環境が高齢者の健康に与える影響について多くの報告がなされている。応募者は、目的2)で明らかになった高齢者の社会参加に関連する社会環境に着目しており、現在文献レビューを進めている段階である。本研究の成果により、終末期の日常生活機能の維持拡大を、個人レベル及び社会環境レベルの両面からより戦略的に進めるための根拠資料を得ることを目指す。
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