研究課題/領域番号 |
22K21087
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
折田 真紀子 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90737305)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 放射線リスク認知 / 福島第一原発事故 / 処理水 |
研究開始時の研究の概要 |
日本政府は東京電力福島第一原子力発電所事故によって排出され保管されている処理水を、福島県沖の太平洋に放出する計画を承認したが、処理水を沖合に放出することによる風評影響が懸念されている。風評影響への対応を進めていく上で、住民の処理水に対する不安の払拭、科学的根拠に基づいた継続的な情報の発信が重要である。本研究は、福島第一原発が立地する双葉町と大熊町、そして大熊町に隣接する富岡町の住民を対象として処理水に対する不安の有無に関連する因子、処理水への疑問点を明らかにし、その結果をもとにしたリスクコミュニケーションを行うことで不安と関連因子を継続的に評価することを目的とする。
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研究実績の概要 |
東京電力福島第一原子力発電所事故によって排出され保管されている100万トン以上の処理水は、2023年夏以降、福島県沖の太平洋に放出することが計画されているが、処理水を沖合に放出することによる住民の不安が懸念されている。そこで、本研究は福島第一原発が立地する周辺自治体住民を対象とした処理水に対する不安の有無に関連する因子を明らかにすることを目的とする。令和4年度に、双葉町、大熊町、富岡町の住民を対象とした質問紙調査を実施した。その結果、62%の富岡町の回答者、61%の大熊町の回答者、68%の双葉町の回答者が、処理水の海洋放出について不安がある、どちらかといえば不安があると答えた。富岡町、大熊町において、処理水の海洋放出への不安は、すでに漁港が再開している富岡町と福島第一原発の立地町である大熊町という地域の特徴に差がないことが明らかとなった。また処理水の海洋放出を受け入れているかどうか(受容度)も両町において有意な差はないことが明らかとなった。今後は、対象住民の処理水に対する疑問点をまとめ、処理水に関する不安の有無と基本的な属性や主観的な健康観や放射線リスク認知との関連について統計解析を用いて明らかし、科学的根拠に基づいた県内外への情報発信やリスクコミュニケーション活動を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度に、対象となる地域において質問紙調査が実施できている。今後は、対象住民の処理水放出に対する疑問点をまとめ、処理水に関する不安の有無と基本的な属性や主観的な健康観や放射線リスク認知との関連について統計解析を用いて明らかし、科学的根拠に基づいた県内外への情報発信やリスクコミュニケーション活動を行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
対象住民の処理水に対する疑問点をまとめ、処理水に関する不安の有無と基本的な属性や主観的な健康観や放射線リスク認知との関連をカイ二乗検定、ロジスティック回帰分析を用いて明らかにする。各自治体の広報誌や自治体内で実施されている保健活動を通じて、地域の状況に応じた住民とのリスクコミュニケーションを行い住民への結果の還元を行う。得られた結果を学術論文としてまとめる。
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