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発達期のラットにおける高濃度フッ素曝露の脳神経系への影響

研究課題

研究課題/領域番号 22K21100
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0908:社会医学、看護学およびその関連分野
研究機関防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛

研究代表者

鈴木 聡子  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 衛生学公衆衛生学, 助教 (30821780)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードフッ素 / 二世代曝露 / ラット / 行動学試験 / 記憶学習能力 / 受動的回避試験 / Y字迷路試験 / 脳神経系
研究開始時の研究の概要

フッ素は、齲歯予防の目的で水道水へフッ化物添加を行っている国々がある一方、地下水の高濃度汚染による健康障害が中国やインドで大きな問題となっている。近年フッ素の高濃度曝露による中枢神経系への影響が注目され、学習能力の低下や統合失調症等が懸念されているが、まだ不明な点も多い。そこで本研究では、記憶学習能力について特に感受性が高い胎児期~発達期のラットを用いて二世代曝露実験を行い、短期記憶や長期記憶を評価する方法として確立されている行動学試験を実施する。加えて、高速液体クロマトグラフィーを用いて脳各部位の神経伝達物質及びその代謝産物の濃度測定を行い、フッ素の脳神経系への影響を検証する。

研究成果の概要

環境汚染物質であるフッ素について、発達期の脳神経系への影響、特に記憶学習能力への影響を明らかにするため二世代曝露を行った。飲み水を介して妊娠ラットにフッ素を150ppmで投与し、離乳後のF1ラットは引き続きフッ素を投与するFF群としないFC群に分け12週齢まで飼育し、受動的回避試験、Y字迷路試験を実施した。オスメス共に対照群(CC群)およびFC群と比較して、FF群は体重増加の抑制が観察された。またY字迷路試験では、オスの空間作業記憶に関してCC群よりFF群が有意に低い結果となった。以上より、胎児期からのフッ素の連続曝露は性差に関係なく成長を抑制し、オスの短期記憶に影響を及ぼすことが示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

インドや中国において地下水の汚染が大きな問題となっているフッ素について、フッ素の連続曝露が、今まで明らかになっていなかった神経毒性を引き起こすことを示した。ラットでは顕著な成長抑制が観察されたことと併せて、感受性の高い胎児期~発達期のフッ素曝露は脳神経系へも影響を及ぼし、記憶学習能力にリスクがあると明らかにできたことは学術的・社会的意義がある。今回示唆された短期記憶への影響に限らず、疫学研究との所見と併せて研究を進めるべき結果となった。汚染地域における胎児期~発達期のフッ素曝露は、ヒトに対しても成長抑制や神経毒性を示す可能性があり、今後の疫学研究の手掛かりとなり得る。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 飲み水、胎盤、母乳を介したフッ素二世代曝露によるF1ラットの記憶学習能力への影響評価2024

    • 著者名/発表者名
      鈴木聡子、坂元崇洋、杉浦由美子、菅谷ちえ美、吉岡範幸、三好優香、岩澤聡子、橋本逸美、星野賢人、角田正史
    • 学会等名
      第94回日本衛生学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 飲み水、胎盤、母乳を介したフッ素二世代曝露によるオスF1ラットの記憶学習能力への影響評価2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木聡子、坂元崇洋、杉浦由美子、菅谷ちえ美、吉岡範幸、三好優香、中島宏、岩澤聡子、橋本逸美、星野賢人、角田正史
    • 学会等名
      第34回日本微量元素学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2022-09-01   更新日: 2025-01-30  

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