研究課題/領域番号 |
22K21106
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柳垣 聡 東北大学, 大学病院, 非常勤講師 (60957489)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 放射線診断学 / 医療経済学 / 費用対効果分析 / 原発性アルドステロン症 / 副腎静脈サンプリング / 副腎焼灼術 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の国民医療費は高齢化、医療技術の進歩を背景として増加の一途にあり、医療費抑制は日本の喫緊の課題となっている。その実現には、医療経済評価によるエビデンスに基づいた適切な医療資源の分配が重要である。放射線診断学領域では近年多くの医薬品、医療機器が販売されているが、従来の医療に対しその費用に見合った効果を有しているか検討されているものはほとんどない。本研究の目的は、日本における実診療データをもとに放射線診断学領域の医療経済評価を実施することで、適切な診療指針の作成、医療資源の分配に貢献することである。
|
研究実績の概要 |
医療経済評価によるエビデンスに基づいた適切な医療資源の分配を目指し、放射線診断学領域、特にIVR領域での医療経済評価を実施した。研究実施計画で設定した下記3項目の研究1)原発性アルドステロン症診療における選択的副腎静脈サンプリングと経皮的焼灼術、2)腎細胞癌に対する凍結療法術、3)慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する血管拡張術、のうち2022年度は、原発性アルドステロン症診療における選択的副腎静脈サンプリングと経皮的焼灼術の費用対効果分析を主に実施した。 研究方法としては、東北大学病院にて2020年から2023年の間に実施された原発性アルドステロン症に対する副腎静脈サンプリング、及び経皮的副腎焼灼術のデータを後ろ向きに収集した。収集したデータから、選択的副腎静脈サンプリング及び経皮的副腎焼灼術を含めた診療フローと、既存の診療フローでの費用対効果を比較した。 解析の結果、選択的副腎静脈サンプリング及び副腎焼灼術を含めた診療フローは、既存の診療フローと比較し、Incremental cost effectiveness ratio (ICER)が男性1,113,391 JPY-per-QALY、女性924,756 JPY-per-QALYという結果だった。これはsocietal willingness-to-pay thresholdとして設定された5,000,000 JPY-per-QALYを下回る結果となった。 上記研究結果から、選択的副腎静脈サンプリング及び副腎焼灼術を含めた原発性アルドステロン症診療フローは、既存診療フローよりも費用対効果に優れる診療フローであることが明らかとなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
放射線診断学領域の医療経済評価において、原発性アルドステロン症診療における選択的副腎静脈サンプリングと経皮的焼灼術の費用対効果を実施した。すでに研究は論文化し、現在雑誌投稿、査読中である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画に含まれるその他の事項、2)腎細胞癌に対する凍結療法術、3)慢性血栓塞栓性肺高血圧症に対する血管拡張術について、データの収集、解析を実施予定である。
|