研究課題/領域番号 |
22K21137
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐山 勇輔 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70753127)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 新型コロナウイルス / 普通感冒ヒトコロナウイルス / 抗体 / COVID-19 / 小児 / コロナウイルス / ヒトコロナウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
SARS-CoV-2によるCOVID-19は、小児では、成人に比べ感染しにくく、伝播させにくいことが知られていたが、2021年末からの流行(第6波)では、これまでと異なり小児の罹患率が急増している。本研究は、COVID-19流行前後の小児及び成人検体を用い、成人に比べ小児がSARS-CoV-2と近縁なヒトコロナウイルスの感染により誘導された抗体がSARS-CoV-2に対しても交差反応性や中和能を有するかどうかを明らかにする。本研究により、COVID-19の小児における感染伝播や疫学像に関与する要因を明らかにし、今後のCOVID-19に対する公衆衛生対策に資するデータを提供する。
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研究実績の概要 |
SARS-CoV-2による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、子供は成人に比べて、感染しにくく、伝播しにくいことが知られている。本研究は、COVID-19流行前後に採取された小児及び成人検体を用い、成人に比べ小児がSARS-CoV-2と近縁な4種類の普通感冒ヒトコロナウイルス(HCoV)の感染により誘導された抗体がSARS-CoV-2に対しても交差反応性や中和能を有するかどうかを明らかにすることを目的としている。 本年度は、前年度までには実施できなかった成人群についても解析を行った。COVID-19流行以前に日本で採取された小児及び成人血清、計747検体を用いて、本研究で確立した各種血清学方法により解析をおこなった。その結果、抗体陽性率が90%に達したのは、HCoV-NL63、HCoV-HKU1、HCoV-OC43では3-4歳だった一方、HCoV-229Eでは、8歳であった。その後、ほぼ100%の抗体陽性率を維持していた。普通感冒ヒトコロナウイルスの中でも前年度に実施したフィリピンで採取された小児検体を用いた結果とは異なり、地域により抗体陽性率の推移が異なることが示された。また、SARS-CoV-2に対する血清学解析では、小児と成人の中で抗体陽性率に差を認めなかったが、小児群の特に5歳以下の群は、SARS-CoV-2に対する抗体価が成人群に比べて高かった。しかし、ELISAによりSARS-CoV-2にRatio 3<以上を示した小児・成人検体は、全てSARS-CoV-2に対し、中和能を示さなかった。前年度でもフィリピンでCOVID-19流行以前に採取された小児検体のうち、ELISAによりSARS-CoV-2に反応を示した検体でもほとんど中和能を示さなかった。今後は、異なるSARS-CoV-2の変異株であるオミクロン株などとの反応性などを含め、追加解析を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で予定している普通感冒ヒトコロナウイルス及びSARS-CoV-2に対する血清学的解析はおおむね終了した。これまで得られた結果から精査する検体は追加解析などを行う。
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今後の研究の推進方策 |
SARS-CoV-2陽性検体を中心にオミクロン株との比較などを含めて追加解析を実施する。また得られた成果をもとに論文化を進め、本研究課題の総括を行う。
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