研究課題/領域番号 |
22K21144
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西岡 典宏 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (30967899)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 院外心停止 / 疫学 / 救急医療 / 治療撤退 / 心肺蘇生 / 終末期医療 / 心停止後症候群 / 集中医療 / 患者レジストリ |
研究開始時の研究の概要 |
これまで構築した院外心停止患者の多施設共同レジストリを基盤に、その集中治療の中止や終末期治療に関わる情報を収集しデータベースを構築する。患者の尊厳を損なう可能性がある延命治療の中止内容と終末期医療の現況を把握し、延命治療の早期の中止決定に寄与する因子を同定し、患者に与える影響を疫学的に評価する。本研究結果は、医療者や家族の意思決定の支援策の策定、及び患者とその家族の意思を尊重した心停止の終末期医療の体制構築への貢献が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本における心停止後の急性期治療とその差し控えの実態を明らかにし、その背後にある要因を探ることを目的としている。令和5年度には、既存の院外心停止患者の多施設共同レジストリを活用し、集学的治療の中止や終末期治療に関する情報について収集するデータ項目を確定し、Electronic Data Captureを構築した。このシステムでは、胸骨圧迫の中止時期や院内治療の継続時間、脳死判定の実施状況などを詳細に記録した。さらに、自己心拍再開後の急性期治療の差し控え状況に関する情報も収集した。今年度は、これらのデータと既存のデータベースとのデータ統合等を行いデータベースを構築し、一部データについて記述研究を行った。 具体的には、集積したデータにより、心停止後の治療差し控え理由やその割合、胸骨圧迫の治療理由等について詳細に記述を行った。その結果を第51回日本救急医学会総会・学術集会(令和5年11月28日・東京)で発表した。また、先行するデータベースから得られた情報を用いて、機械学習の手法を適用し、院外心停止患者の長期予後を早期に予測する解析を行い、その外的妥当性について検証した。この予測モデルは、院外心停止患者の差し控えなどの治療方針を決定する際に役立つ可能性がある。本研究の成果は国際原著論文として学術誌に投稿し、現在査読中である。これらの研究成果が実践に生かされれば、院外心停止患者の早期治療の適切な決定や終末期治療の質の向上に寄与することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Electronic Data Captureのシステム移行時期と重なったため、データの収集開始が遅れた。その後、Electronic Data Captureは構築し、データの収集は順調に経過している。
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今後の研究の推進方策 |
Electronic Data Captureの実装やデータクリーニングにおいて、現時点で抽出されている課題の解決に向けて取り組み、適切なデータ蓄積を目指し、本研究課題の達成を図る。また、研究促進のため、レジストリーへのさらなる参加施設の募集を行う。それにより、本研究結果から、地域特性やその地域の医療経済に与える影響などについても検証する。終末期医療における問題抽出を行い、研究を展開していく予定である。
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