研究課題/領域番号 |
22K21150
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
影山 祐紀 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90964891)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 双極症 / バイオマーカー / エクソソーム / リキッドバイオプシー / 双極性障害 / 気分障害 / liquid biopsy |
研究開始時の研究の概要 |
双極性障害は反復するうつ状態、躁状態、寛解状態を特徴とする精神疾患である。自殺企図率は精神疾患の中で最も高く、健常者のおよそ20倍を示す。しかし、希死念慮を客観的に評価できる脳由来バイオマーカーは存在しない。いかに自殺の危険性を評価し、未然に防ぐかは双極性障害診療の大きな課題である。応募者はエクソソームを介して脳由来の情報を血液から検出する手法の開発に成功した。本研究では、この手法により、同一双極性障害患者のうつ状態と寛解状態および健常者の血中脳由来エクソソーム内のトランスクリプトーム解析を行い、双極性障害の希死念慮を反映するバイオマーカーおよび、診断バイオマーカーの候補を探索する。
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研究実績の概要 |
本研究では、同一双極性障害患者のうつ状態期(n=30)、寛解期(n=30)、健常者(n=30)の血漿を用いて血中脳由来エクソソーム内のトランスクリプトーム解析を行う。うつ状態期と寛解期の比較を行い、有意に発現レベルの変動が見られた転写因子に着目し、双極性障害の抑うつ状態と希死念慮を反映する転写因子の分子生物学的な機構をPathway analysisおよびgene ontology analysisにより探索する。 現在、双極性障害のうつ状態と寛解状態の血液サンプルを同一患者で30対収集する予定のうち、27対が収集済みである。予定よりも検体収集に時間がかかっているため、他施設においても収集を開始している。
収集の間に研究実施者が保有するうつ病40名、双極性障害15名の血中脳由来エクソソームトランスクリプトームデータセットにおいて有意に発現量の差を認めた195遺伝子に着目してgene ontology解析及びpathway解析を行った。結果、gene ontology解析で最も高いオッズ比は14.37(Translation Initiation Factor Activity, adjusted p-value, 0.003)であった。この遺伝子オントロジーに関連する遺伝子は、EIF3M、EIF5、EIF6、MTIF2、EIF3Dの5つであった。パスウェイ解析で最も高いオッズ比は22.47(Sumoylation by RanBP2 regulates transcriptional repression, adjusted p-value, 0.03)で、関連する遺伝子は、HDAC1とRANの2つであった。また、この195遺伝子を用いてPLS-DA解析及び機械学習のsupport vector machineを行うことで、うつ病と双極性障害を2群に分けることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
双極症の患者の血液検体収集に時間がかかっているため。
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今後の研究の推進方策 |
自施設だけでなく、他施設においても検体収集を行えるように倫理申請の変更を行った。現在、多施設において双極症の患者の血液検体収集を行っており、収集の速度を上げるようにしている。また、研究期間の1年延長申請を行った。
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