研究課題/領域番号 |
22K21153
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
森川 美樹 順天堂大学, 医学部, 特任准教授 (40621892)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バーンアウト / 救急医療 / 救急医 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の救急専従医数の割合は全医師数の1.2%と非常に少ない一方、増加し続ける救急車出動台数や昨今の新型コロナウイルス 感染症への対応等、救急専従医が担う社会的役割は非常に大きく、救急専従医数の保持は日本の医療体制において重要な課題である。その一環として、日本の救急専従医のバーンアウトの実態ならびに影響を及ぼす因子の解明・検証のため、対人援助職におけるバーンアウト尺度であるMaslach Burnout Inventory-Human Services Surveyを用いてアンケート形式で全国調査を行う。その結果を問題提起と対策提言に活用し、より質の高い救急医療を社会に提供する。
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研究実績の概要 |
本研究では、日本の救急専従医のバーンアウトの実態ならびに影響を及ぼす因子を解明・検証のため、全国規模の実態調査をアンケート形式で実施し、その調査結果を日本型モデルとして問題提起と対策提言に活用し、救急専従医の保持・保護、そしてより質の高い救急医療を社会に提供するとともに、今後の日本の医療体制の堅牢化を目指す。 本研究では、日本の全救急科専門医指定施設552施設で勤務する全救急専従医を対象とした全数調査を目指しており、そのパイロットスタディとして2021年6月に協力を得られた25施設で勤務する全救急専従医326名を対象としたバーンアウト調査を施行した。その結果を2022年10月第50回日本救急医学会学術集会にて発表し、6時間以上の睡眠、臨床経験の浅さ、救命センター型救急で勤務する医師にバーンアウトの傾向が見られるため対策が必要であることを訴えた。また、その内容を学術誌であるAcute Medicine & Surgeryに投稿し、2023年4月に受理された。これにより、本研究の重要性を各施設ならびに関係団体へ訴え、本研究の回答率向上に繋げたい。 また、パイロットスタディで、日本の救急医は諸外国に比べて、バーンアウトの3因子のひとつである"個人的達成感の低下"で重症となる数が多く、その背景には自身の能力や実績を認められない状態や自分の力を信じられない状態に陥っている心理傾向である、インポスター症候群との関連が示唆された。そのため、2023年6月にバーンアウトとインポスター症候群の関連を検証するため、協力を得られた30施設で勤務する全救急専従医400名を対象とした調査を施行予定であり、調査表作成を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パイロットスタディの結果を関係団体へ周知するために学術誌であるAcute Medicine & Surgeryへ投稿し、受理されたことは順調と捉えている。 日本の全救急科専門医指定施設552施設で勤務する全救急専従医を対象とした全数調査を令和4年度後期に施行予定であったが、パイロットスタディの結果からインポスター症候群との関連も検討する必要があること、またパイロットスタディと比較検証するためにも時期を同じくした方が良いことから、次回調査を2023年6月の調査とした。 そして、調査内容にインポスター症候群の評価ツールを加えたことから、2023年6月の調査はそれについてのパイロットスタディを行うこととした。
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今後の研究の推進方策 |
2023年6月にバーンアウトとインポスター症候群の関連を検証するため、協力を得られた30施設で勤務する全救急専従医400名を対象とした調査を施行予定であり、調査表作成を行なっている。その結果を学術誌である Acute Medicine & Surgeryに投稿する。 また、救急医の全数調査には日本救急医学会との連携が必要と考え、2023年7月に募集される日本救急医学会主導研究に応募し、日本の全救急科専門医指定施設552施設で勤務する全救急専従医にその重要性を訴えかけていく。
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