研究課題/領域番号 |
22K21156
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
佐々木 絵美 関東学院大学, 看護学部, 助手 (90967465)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 声掛け / 背景音 / 音環境整備 / 食事介助 / 音環境 / 声かけ |
研究開始時の研究の概要 |
介護老人福祉施設の望ましい音環境には「人の話す声」が重要であると考えられるが、感染予防策のため「食事中の会話を控える」ことが推奨された。この状況は当該施設の音環境に何らかの影響を及ぼすことが推測された。そこで本研究では、介護老人福祉施設の食事介助時の背景音が看護・介護職者の声かけにどのように影響するのか、その実態を調査する。すなわち、食事時間帯の背景音がテレビ・音楽・何も無し、の3タイプの施設を選定し、食事介助中の会話シーンを録音、同時に会話関連情報を観察する。全てのデータを背景音のタイプ別に比較検討することによって、会話を含む望ましい音環境を探る。
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研究実績の概要 |
2022年度は11月に所属大学で研究計画書の倫理審査を受ける予定であったが、研究代表者の体調不良により、2022年11月から2023年3月まで研究遂行が不可能な状態であった。そのため、当該年度に実施した研究成果としては、2022年11月上旬に本研究に関連する介護老人福利施設の音環境の実態調査研究の結果について日本看護技術学会学術集会で発表したのみである。今回発表した研究において、療養生活における望ましい音環境を構成する要素として「人の話す声」が重要であるとの示唆を得たことは、本研究課題の食事介助時の背景音と声掛けへの影響につながる重要な発見である。 体調不良により療養していた期間も、音環境に関する先行研究の文献検討を行い、研究計画への入念な準備を行った。研究対象となる介護老人福祉施設等の介護型施設では、新型コロナウイルス感染症の感染予防のために外部からの訪問や面会を禁止していた時期もあった。新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へ変更になることによって、面会制限が少しずつ緩和され、研究協力も得やすい状況になることが予測されるが、療養生活上の援助場面での人と人との関係性を含めた音環境をとらえるためには、対象となる人の状況について理解し、対象に応じた配慮ある研究計画を立案する必要がある。体調不良により当初の計画通りに進んではいないが、倫理審査申請をする前段階に費やした多くの時間は、対象への理解や配慮ある研究計画作成のために必要不可欠な時間であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者は2022年11月から2023年3月まで体調不良のため、その間、約1ヶ月は所属大学の勤務を休業し、休業から復帰後も業務分担の配慮を得て、勤務を継続してきた。そのため、研究時間の確保が困難であり、2022年度は11月に学会発表を行ったのみで、2023年3月までは研究計画はほとんど進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
前述の体調不良については改善傾向であり、主治医からは業務遂行は可能との診断を受けている。そのため、2023年4月より当初の研究実施計画に基づいて研究を進めていく予定である。 まず、2023年7月までに設備の導入及び申請者が属する大学の「人に関する研究倫理審査委員会」に研究計画書の審査を申請し、承認を得る。その後、2023年9月までに研究協力候補施設より研究協力への正式な同意を得てから、事前訪問を行う。そこで、施設責任者に研究の概要やデータ収集方法、研究対象者や入所者及び家族への説明と同意取得の方法について説明する。また、オーディオレコーダーの設置場所や観察場所、データ収集日とその予備日を決定する。録音や観察、質問紙によるデータ収集を2023年11月までに行う。 収集したデータについては2024年1月までに分析する。量的データは統計解析ソフトSPSS ver.28(IBM)を使用し、施設における食事時の背景音のタイプ別に、声掛けの頻度や音圧、周波数に有意差はないか分散分析を行い、それらと研究対象者の個人属性に関連がないかを調べるために多変量解析を行う。質的データは質的研究支援ソフト Nvivo(QSR International)を使用し頻出語や意味分析を行う。その後、研究成果は、看護技術に関連する学会発表および英文学術誌への投稿を行う。研究協力施設へも成果報告会を持ち、研究対象者からの感想や意見を受けて、分析における示唆を得る。
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