研究課題/領域番号 |
22K21164
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
久場 由真仁 国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 研究員 (00961583)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 臨床検体 / ウイルス同定 / 次世代シーケンサー / ターゲットキャプチャ―法 / ロングリードシークエンス / 次世代シークエンス / ターゲットキャプチャ / 病原体サーベイランス |
研究開始時の研究の概要 |
臨床検体中の高感度な病原体同定法として次世代シーケンサーを用いたターゲットキャプチャ―法が知られているが、標的遺伝子を断片化するシートリードシークエンス(SRS)による実施が一般的である。一方、ロングリードシークエンス(LRS)はSRSと異なり短時間で長い塩基配列が取得可能である。本研究では、標的遺伝子に効率よくハイブリダイズし変異許容性の高いLRS用のプローブ作製およびNanoporeシーケンサーに最適なライブラリ作製の条件検討を行い、臨床検体を用いた評価を行うことで、LRSを用いたターゲットキャプチャ―法による高感度かつ迅速な病原体同定法の開発および病原体サーベイランスへの活用を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、標的遺伝子に効率よくハイブリダイズし変異許容性の高いロングリードシークエンス(LRS)用のプローブ作製およびNanoporeシーケンサーに最適なライブラリ作製の条件検討を行い、臨床検体を用いた評価を行うことで、LRSを用いたターゲットキャプチャ―法による高感度かつ迅速な病原体同定法の開発および病原体サーベイランスへの活用を目指すことを目的としている。 ショートリードシークエンス(SRS)を用いたターゲットキャプチャ法では標的遺伝子全長をカバーできるように約100bpの複数プローブを部分的に重ね合わせて設計するが、LRSをベースとした最適なプローブ条件は不明である。より高効率な結果取得のためには、LRSに最適なプローブ設計(プローブ長、標的遺伝子とプローブの重なり合う割合、投入プローブ数等)やライブラリ調製法の条件検討が必要である。 これまでに、SARS-CoV-2ゲノムに対して効率良くハイブリダイズし変異許容性の高いプローブの作製を検討した。具体的には、リファレンス株をベースにゲノムの4領域を対象にプローブを設計した。また、変異許容性を確認するため、リファレンス株と主要変異株を含むマルチアライメントをベースにしたプローブも設計した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ライフイベントによる研究中断のため進捗が遅れた。 SARS-CoV-2ゲノムを対象に、ロングリードシークエンスを用いたターゲットキャプチャ法で使用するプローブについて、設計に用いる配列領域や投入するプローブ数などについて最適な条件検討の実施を計画していた。候補となるプローブのデザインは終了したが、これら作製したプローブパネルを用いてハイブリダイゼーションを行いDNAライブラリを濃縮し、Nanopore MinIONシークエンスを実施後、得られたゲノム解析結果から最適なプローブ条件を評価するには至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
作製した4種類のプローブを用いてハイブリダイゼーションを行いSARS-CoV-2ゲノムDNAライブラリを濃縮し、Nanopore MinIONシークエンスを実施する。得られたリード数、カバー率、正確性等からプローブ設計に用いる配列領域や投入するプローブ数など最適なプローブ条件を評価する。また、SARS-CoV-2感染者の臨床検体中のウイルスRNAを対象に、作成したプローブパネルの実効性を評価する。具体的には、対象とするSARS-CoV-2ウイルス株を様々なコピー数の条件で臨床検体に添加し、ウイルスRNAを抽出する。作製したプローブパネルとハイブリダイゼーションし、ウイルスゲノムが濃縮されたNGSライブラリーを作製する。Nanopore MinIONシークエンスを実施し、SARS-CoV-2ゲノム解析効率を確認し、ウイルス同定法としての有用性を評価する。
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