研究課題/領域番号 |
22K21165
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
大丸 香 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (60968527)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 多剤併用 / フレイル / 高齢者 / 横断研究 / 地域在住高齢者 / ポリファーマシー / 縦断研究 |
研究開始時の研究の概要 |
フレイルは、加齢などによりストレスに対する抵抗力が低下した状態であり、体重減少、筋力低下、疲労感などの他、気分の落ち込みや外出の減少など、精神的、社会的な健康問題も重なる。一方、高齢者は複数の疾患を持ち、多くの薬剤を処方されることが多い。このポリファーマシー(多剤併用)はフレイルの危険因子と考えられているが、特に、薬剤とフレイルの多面的な健康問題との関係に着目した研究は少ない。 本研究は、健診に参加した都市在住高齢者を対象に、ポリファーマシー(多剤併用)とフレイルの発症や進行、身体・精神・社会的な側面との関係を、健診情報を用いて総合的に検討する。
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研究成果の概要 |
高齢者は多病により多くの薬を併用(多剤併用)し、加齢に伴う心身機能の低下から要介護の前段階であるフレイルになりやすい。本研究は東京都板橋区在住高齢者を対象に多剤併用とフレイルの関係を薬の数と種類の点から横断研究で検証した。5種類以上の多剤併用者は非多剤併用者に比べ、フレイルとその構成要素である体重減少、低筋力、低歩行速度のリスクが高く、女性高齢者の分析では、高齢者に慎重投与が必要な薬の数が多いほどフレイルや体重減少のリスクが高いことが示唆された。以上より、薬の併用数や種類の適切な薬物管理が高齢者の健康維持に重要であることが示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究では、高齢者での多剤併用や、高齢者で有害事象が出やすいため慎重な投与を要する薬(慎重投与薬)の数がフレイルにどのように関連するか、明らかではなかった。本研究は併用薬の数と種類の点から、高齢者の薬物治療とフレイルの関係を検討した。その結果、多剤併用者でフレイルの身体的要素のリスクが高く、慎重投与薬の数が多いほどフレイルのリスクが高いことが示された。本研究の社会的意義は、高齢者で多剤併用と慎重投与薬に留意して適切な薬物管理を行うことが重要であることが示唆されたことである。
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