研究課題/領域番号 |
22K21167
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
升川 研人 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50964681)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 緩和ケア / 電子カルテ / 自然言語処理 / 感情分析 / 機械学習 / 遺族調査 |
研究開始時の研究の概要 |
感情分析は、医療者の記録内容からどの程度ポジティブかネガティブかのような感情表現を感情スコアとして数値化する手法である。本研究では、緩和ケア領域の看護記録に対する既存の感情分析手法の妥当性を評価し、最適な手法により出力された感情スコアと緩和ケアの臨床アウトカム(がん患者の予後、せん妄発生、QOL)との関連を明らかにする。 本研究のデザインは単施設横断研究である。死亡したがん患者の約1,000名の死亡前2週間の看護記録を対象として、既存の感情分析手法の精度を明らかにする。また、緩和ケア領域での臨床アウトカム(予後やQOL等)と感情スコアとの関連を評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では、電子カルテ内の看護記録を中心とした診療録に対して自然言語処理技術の1つである感情分析を活用し、その有用性を検討することとした。 本研究は他研究で収集した電子カルテデータの二次解析であり、すでにデータの収集は完了していた。予備的にデータ数の少ないアンケート調査へ感情分析を応用しその実現可能性を評価することとした。その結果、他看護研究者とのディスカッションを通して、その困難感が明らかになった。特にデータに対して正解ラベルである感情スコアの付与する際の基準を定めることが難しく実現には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義の1つとして、既存の感情分析を緩和ケア領域での実臨床や研究での応用することは難しいことが明らかになった。既存の感情分析はソーシャルメディアなど臨床とは異なる状況に適しており臨床ではそのままの応用は難しい。特に緩和ケア領域では、終末期であり「死」や「看取り」など一般的にはネガティブな表現が多く使用される。緩和ケア以外の医学領域でも、状況にはよるがそれら表現はネガティブなものと考えられるかもしれない。しかし、緩和ケアに携わる医療者ではそれらはネガティブではない場合が多い。そのため、今後感情分析を応用するためには緩和ケアに特化した新たな手法を検討する必要があると考える。
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