研究課題/領域番号 |
22K21171
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
豊本 莉恵 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (80963800)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 認知行動療法 / インターネット / 個別化 / うつ病 / 予防 |
研究開始時の研究の概要 |
うつ病の治療や予防において、インターネット認知行動療法(iCBT)は、経済的・効率的に提供できる手段として注目されている。しかし、現行のiCBTは介入の遵守率や反応率にばらつきがあるため、精度の高い個別化された介入を可能にするための改良が求められている。そこで、本研究では、iCBTの効果に影響を与える個人の特性(効果修飾因子) を特定し、iCBTプログラムを個別最適化するためのアルゴリズムを構築することを目的とする。本研究の成果は、精度の高いアプリやウェブツールの開発を可能にし、効率的・効果的なうつ病予防の介入を実現することに貢献することが期待される。
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研究実績の概要 |
1. 急性期アウトカム(ランダム割付後8週)を用いた分析に対する追加解析の実施:大学生を対象に行われたインターネット認知行動療法(iCBT)の多施設共同完全要因ランダム化比較試験「ヘルシーキャンパストライアル」の急性期データ(1,093名)を解析対象とした。CBTの主要な5技法(認知再構成、セルフモニタリング、行動活性化、アサーション、問題解決)について、抑うつ症状軽減効果に影響を与えるベースラインの個人特性(年齢、性別、生活習慣、パーソナリティ、認知行動スキル等)の探索的な解析に、Benjamini-Hochberg法による補正を行い(5%の誤検出率で多重度調整p値を計算)、保守的な結果を得た。その結果、ベースラインの抑うつ指標 Patient Health Questionnaire-9(PHQ-9)の合計スコアが予後因子として、運動習慣がセルフモニタリングの効果修飾因子として残された。つまり、PHQ-9 の合計スコアが高いほど、介入から8週間後の急性期の抑うつ低減が大きくなり、定期的に運動する人は、運動習慣がない人と比べて、セルフモニタリング(自分の考えや感情をモニタリングすることを学ぶ技法)の効果が小さい可能性が示唆された。この急性期解析の結果を、Journal of Affective Disorders(IF=6.53)に投稿し、2023年2月に出版された。 2. 長期アウトカム(ランダム割付後52週)を用いた分析実施:長期データを入手し、データ確認等を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
急性期アウトカムの分析について、査読者の助言に従い、多重性の問題に対処するため追加解析を行った。それにより、論文執筆・出版が予定よりも遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
ランダム割付後52週の長期アウトカムデータについても、iCBT各技法の効果に影響を与える個人特性を明らかにするために統計解析を進める予定である。ここで得られた結果をまとめ、国際学術雑誌及び学会で報告する。
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