研究開始時の研究の概要 |
法医解剖では, 洗剤などの界面活性剤を経口摂取した事例をしばしば経験する. このような事例では, 死亡前の状況推定や死因判定のために, 界面活性剤による臓器傷害の評価や生体試料中の界面活性剤の濃度測定が重要となる. しかしながら, これらの検査を同時に検討した実験報告はなく, 症例報告に留まるのみである. そこで本研究では, 界面活性剤の一つである直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を経口摂取させた実験モデルを作製し, 各臓器の病理組織検査と, 液体クロマトグラフを用いた血液や臓器など生体試料中の界面活性剤濃度の測定を行い, 界面活性剤の内服により死亡に至るメカニズムを検討する.
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