研究課題/領域番号 |
22K21175
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
矢野 浩史 長崎大学, 病院(医学系), 助手 (90874652)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ePRO / 特定健診 / EQ-5D-5L / 患者報告アウトカム / 電子的患者報告アウトカム |
研究開始時の研究の概要 |
患者報告アウトカムとは患者自らの健康状態をはじめとする評価や症状の訴えなどの報告のことである。従来は紙媒体によって収集されてきたが、近年、電子的患者報告アウトカム(electric PRO: 以後ePRO)による収集が導入されている。しかし、その対象は電子端末に慣れている比較的若い患者集団に限られており、健常者を含む中高年・高齢者集団を対象としたePRO収集は未だにない。 そこで本研究ではePROアプリを開発し、40歳以上が対象となる特定健診時においてePROを使って情報収集を行い、有効性、効率性、満足度から中高年以上を対象としたePRO導入の課題と実現可能性を評価する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的はこれまで主として紙で用いられてきた患者報告アウトカム(Patient Reported Outcome: 以後PRO)をインターネットを使った電子的患者報告アウトカムePRO(electronicPRO)アプリを開発し、メタボリックシンドロームや骨粗鬆症などのリスクが高い40歳以上が対象となる特定健診の受診集団を対象にePROを使って情報収集を行い、有効性、効率性、満足度から中高年以上を対象としたePRO導入の課題と実現可能性を評価することである。 2022年度はePROアプリの開発と長崎大学病院内でのパイロット版の試験運用を目標とした。収集項目としてEQ-5D-5L、評価方法としてシステムの使いやすさ指標を選定し、電磁的データ収集システムREDCapを利用してシステムを構築した。個人情報保護に配慮し、研究対象者のメールアドレスの保管はePROを運用するREDCapサーバとは別サーバで行うことした。並行して2023年1月に長崎県五島市の集団検診を見学したが、その際、想定以上に時間がかかり人員が必要であることを確認した。 そこで2023年度はパイロット研究を一般人のボランティア健常者5名を使ったテストから、長崎市内の医療機関を研究協力機関として同機関で特定健診を受診者24名を研究対象者として行うことに変更した。2023年4月に長崎大学大学院医学系倫理委員会に申請し実施許可取得た後、2023年6月より症例登録を開始した。2023年10月31日までに目標症例数24名に対し、11名から同意を得られ、それぞれ3か月後まで観察を行った。観察期間終了後、データを集計し、統計解析を行った。この結果を踏まえ2024年3月に日本臨床試験学会第15回学術集会総会にて発表を行った。 2024年度はパイロット研究を踏まえ論文投稿を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記「研究実績の概要」の通り、2023年1月に長崎県五島市の集団検診を見学したが、その際、想定以上に時間がかかり人員が必要であることを確認した。 そこでパイロット研究を一般人のボランティア健常者5名を使ったテストから、長崎市内の医療機関を研究協力機関として同機関で特定健診を受診者24名を研究対象者として行うことに変更し、倫理委員会の審査を経て各実施機関の実施許可を取得ののち実施をしたが、症例集積が予想以上に難航し、2か月延長したものの登録症例数は11名で目標の24名を満たさなかった。 当初の予定からパイロット研究の研究対象者を院内健常者のボランティアではなく研究協力機関の特定健診受診者に変更したこと、パイロット研究の症例集積が予定通り進まなかったことなどの理由により遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年3月までにパイロット研究の観察期間が終了し、主解析を行い、論文化のための準備中である。 2024年度はパイロット研究の論文作成を行い、査読付きジャーナルに投稿する。
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