研究課題/領域番号 |
22K21179
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
池内 香 高知県立大学, 看護学部, 助教 (00611972)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 双極性障害 / メンタルヘルスリテラシー / ケア方略 |
研究開始時の研究の概要 |
メンタルヘルスリテラシーとは「精神健康の向上、精神疾患の予防、早期発見・診断、治療の継続や回復のそれぞれの土台として必要な力やスキルである」と定義されている。再発を繰り返す疾患である双極性障害は、患者本人の社会生活への影響が大きく身近な支援者の存在意義は大きい。看護者が患者本人・家族への情報提供・共有を含めた支援を行うことで、患者本人・家族が疾患に対する正しい知識を得、再発予防に取り組むことや、治療継続行動をとるうえでもメンタルヘルスリテラシーの獲得・向上は重要である。
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研究実績の概要 |
本研究では、双極性障害をもつ人と家族に対するメンタルヘルスリテラシー獲得・向上のためのケア方略を明らかにすることを目的としている。精神科看護者および患者・家族を対象に、双極性障害をもつ人とその家族に対するメンタルヘルスリテラシー獲得・向上のための看護スキルについてインタビュー調査を実施する。それらの結果をもとに、『双極性障害をもつ人と家族に対するメンタルヘルスリテラシー獲得・向上のためのケア方略』について検討し可視化することを目標としている。 2023年度は精神科看護者を対象にインタビュー調査を実施した。現在、データ分析の途上である。対象者の語りのなかでは、躁状態が著しい急性期では情報を伝えようとしても、患者が理解できない、あるいは受け入れられない場合がある現状について述べられていた。躁状態で怒りの感情が表出されている患者に対しては、疾患や治療に関する説明はあえてせず、患者の不安や不満も含めた患者なりの捉え方やストーリーを聴き取ることに徹する姿勢などが抽出された。また、家族や職場の関係者など、本人を取り巻く支援者への支援も重要視していることが明らかとなった。疾患に関する説明や振り返りの場を設けることなどは患者の状況や周囲の状況、社会のなかでの適応状況などを踏まえて判断している様子がうかがえ、情報を提供する、あるいは情報につなぐ上では看護師の判断があり、その判断内容がケア方略の決定に大きく影響しているものと考えられた。引き続き分析を行い、カテゴリー化を行っていく。 当初予定していた患者・家族に対するインタビューに関しては、対象者へのアクセスが難しい状況にあり、実施には至っていない。今後倫理審査を受審し、インタビュー調査に向け取り組んでいく。また、精神科看護者対象のインタビュー調査に関しても、更にデータの蓄積が必要か判断し、インタビューの実施と分析を重ねていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
精神科看護者へのインタビューは実施できたが、患者・家族に対しては新型コロナウイルス感染症の影響により、フィールドへの参入が困難となっておりインタビューの調整・実施ができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
精神科看護者および患者・家族に対して、インタビュー調査を行い、双極性障害をもつ人へのメンタルヘルスリテラシー獲得・向上に向けた看護ケアを抽出する。患者・家族を対象としたインタビューに関しては倫理審査受審に向け取り組み、対象者にアクセスできるよう研究フィールドへの働きかけを継続していく。
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