研究課題/領域番号 |
22K21193
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
中野 詩織 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 研究員 (10963712)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大腸がん / One-Carbon代謝 / 分子病理疫学研究 |
研究開始時の研究の概要 |
One-Carbon代謝は、DNAとメチル基の合成の場であり、遺伝子の変異とメチル化異常の2つの大腸発がん機構に密に関わる。One-Carbon代謝を担う多くの因子は、主に食事から摂取する栄養素である。よって、One-Carbon代謝栄養素の摂取と大腸がんの関連が明らかになれば、食事に介入することで、大腸がんの予防につながる可能性がある。 本研究では、国内の大規模コホート研究を用い、大腸腫瘍組織を収集・解析して、遺伝子の変異またはメチル化異常の影響を主として受けている大腸がんに分類し、大腸がんサブタイプごとに、One-Carbon代謝栄養素の摂取との関連を分析する。
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研究実績の概要 |
本研究では、大腸腫瘍組織を解析して、One-Carbon代謝の2つの発がん機構である、遺伝子の変異とメチル化増加を主原因とするがんに分類する分子サブタイプを同定し、分子サブタイプ別の大腸がんごとに、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6、メチオニンの摂取との関連を分析する。そして、One-Carbon代謝の2つの発がん機構の影響を分けて検討することで、One-Carbon代謝栄養素の摂取と大腸がんの真の関連を解明することを目的としている。昨年度は、コホート研究において収集した約500症例の大腸腫瘍組織において、免疫組織染色により、TP53蛋白の発現と、ターゲットシークエンス解析により、BRAF変異の評価を行い、解析のためのデータを取得した。本年度は、得られたデータを用いて、TP53蛋白発現やBRAF変異有無の基づく大腸がんサブタイプごとに、One-Carbon代謝栄養素の摂取との関連を検討する予定であったが、本研究デザインが適切な結果を導けるか事前検討を行った。具体的には、欧米の研究から、喫煙とKRAS野生型大腸がんとの関連が再現性を持って報告されており、本研究においてもKRAS変異情報のデータを取得していたので、本研究デザインでも喫煙とKRAS野生型大腸がんとの関連が認められるか検討した。本研究では、約半数の症例でKRAS変異が観察され、175症例のKRAS野生型大腸がんと164症例のKRAS変異型大腸がんにおいて、分析した。その結果、KRAS野生型大腸がんのみにおいて、喫煙との有意な関連が認めら、本研究デザインで先行研究と同様の結果が得られた。次年度は本解析として、One-Carbon代謝栄養素である葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6、メチオニンの摂取とTP53蛋白発現やBRAF変異有無に基づく大腸がんサブタイプごとの関連を分析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、休職期間があったため予定通り、研究を遂行することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2年計画を3年計画に延長して、2年目に実施予定であった研究実施計画を3年目に移行し、研究を推進する。コホート研究の食物摂取頻度調査票から推定した、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニン摂取量と、同定した分子サブタイプごとの大腸がん罹患リスクとの関連を多変量COX回帰分析により検討する。得られた結果を論文にまとめて、国際誌に投稿する。また学会で成果を発表する予定である。
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