研究課題/領域番号 |
22K21195
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0908:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
守山 祐樹 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国際感染症センター 医師 (50836004)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 血液培養 / 感染管理 / 院内感染 / コンタミネーション / 多施設共同研究 |
研究開始時の研究の概要 |
血液培養は感染症の診断、菌名/薬剤感受性の把握の有用なツールであり、適切な抗菌薬使用にあたり大きな役割を果たす。一方、血液培養のコンタミネーション(汚染)は患者に不要な抗菌薬投与が行われる原因となり、場合によっては血液培養の繰り返しの採取などの負担が発生する可能性があり、避けるべきである。しかしながら、血液培養の取られやすさ、コンタミネーションの起こりやすさに寄与する因子は明らかになっていない。そこで、私たちは多施設の後ろ向き観察研究で、血液培養採取の実態を調査し、血液培養の取られやすさ、コンタミネーションの起こりやすさに寄与する因子を明らかにする。
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研究実績の概要 |
35施設から28万件の血液培養データを収集した。また各施設の血液培養に関する活動(レクチャーの有無、主な採取者が誰か、消毒方法、滅菌手ぶくろの使用の有無、インハウスで血液培養検査を実施しているか、など)を聴取した。 参加施設の病床数の中央値は232(IQR 172-306)であり中小病院をターゲットとした本研究に目的に合致していることが確認できた。 1000患者日数あたりの採取セット数は20.2(IQR 9.6-28.7)であった。これは先行研究と大きく差がない結果であった。血液培養陽性率は15%(12.9%-16.7%)であった。血液培養採取数と陽性率をプロットすると、反比例の傾向があることが判明した。 各施設の血液培養の関する要因と血液培養採取数(1000患者日数)を用いて統計解析を行い、血液培養の取られやすさに関する要因を検討した。その結果、「血液培養のレクチャーの有無」と「研修病院であること」が血液培養の取られやすさに寄与することが判明した。一方、消毒の方法や、主な採取者は影響を及ぼしていないことが判明した。 血液培養の2セット採取率についても検討を行い、中央値86%(IQR 78-88%)と、過去の報告(2012年 67.2%)と比較しても高い数値であることが判明した。これは日本の感染症教育により2セット採取の重要性が周知された結果と考えた。また、コンタミ率については途中解析になるが、19施設において、中央値2.66%(IQR 2.15-3.77)であり、諸外国や過去の報告と比較しても大きく変化はないことが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
個別の血液培養のデータから、コンタミネーションと判定する処理に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
個別の血液培養のデータから、事前に設定した定義により、コンタミネーションかどうかを判定し、その結果を元にコンタミネーションに関与する因子を同定する。
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