研究課題/領域番号 |
22K21210
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
榛葉 有希 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (30963318)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 糖尿病 / βアミノイソ酪酸 / マイオカイン |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病の運動療法実施において、個々人が糖代謝を改善させるために必要な運動量を満たしているかどうかを明らかにする手段がない。 近年、運動の健康効果には、マイオカイン(骨格筋由来生理活性物質の総称)を介した多臓器機能調節が関与すると考えられている。これまで申請者は、低分子マイオカインβアミノイソ酪酸(BAIBA)の生理作用を明らかにしてきた。 申請者は予備的にBAIBAが骨格筋への糖取り込みを増加させることと、尿中からBAIBAを検出できることを確認しており、本研究では【課題1】BAIBAが糖尿病に与える影響を明らかにする、【課題2】尿中BAIBAが運動指標になり得るか否かを検討することを目的とする。
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研究実績の概要 |
【背景・目的】糖尿病は心筋梗塞や脳梗塞、人工透析導入といった合併症を引き起こし、生活の質を下げるため、その治療方法の検討は重要である。糖尿病の予防治療において、運動療法は有効であると考えられているが、身体活動量計(歩数計)には装置間の測定誤差が存在することが知られており、個々人が糖代謝を改善させるために必要な運動量を満たしているのか否かを明らかにする手段はない。近年、運動の健康効果には、マイオカイン(骨格筋由来生理活性物質の総称)を介した多臓器機能調節が関与すると考えられている。これまで申請者は、低分子マイオカインβアミノイソ酪酸(BAIBA)が動脈硬化進展抑制作用を示すことを報告してきており、BAIBAが糖代謝にも良い影響を与えるのではないかと考えるようになった。申請者の予備検討より、BAIBAが骨格筋細胞への糖取り込みを増加させる可能性や尿中にBAIBAが排泄されている可能性を見いだしており、本研究では【課題1】BAIBAが糖尿病に与える影響を明らかにする、【課題2】尿中BAIBAが運動指標になり得るか否かを検討することを目的とした。
【方法・結果】課題1について本年度はBAIBAが2型糖尿病モデルマウスの血糖変動指標に 与える影響を検討した。具体的には、KKAyマウスにBAIBAを16週間投与し、エネルギー代謝測定、経口グルコース負荷試験やインスリン負荷試験を実施した。その結果、エネルギー代謝測定や経口グルコース負荷試験による変化は確認されなかったが、インスリン負荷試験ではBAIBA投与群において有意に血糖曲線下面積が改善した。in vitro試験では、BAIBAによりAktのリン酸化率が有意に改善しており、インスリン作用を増加させている可能性を示唆した。課題2は、研究参加者の募集を行い、血中BAIBA濃度を分析している途中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の動物実験施設の修繕に伴う動物実験の遅延が影響し、本年度の進捗もやや送れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、培養細胞を用いたBAIBAの作用メカニズム解明と、血中BAIBA濃度と関連する指標の探索を予定している。
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