研究課題/領域番号 |
22K21224
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 和歌山リハビリテーション専門職大学 |
研究代表者 |
湯川 喜裕 和歌山リハビリテーション専門職大学, 健康科学部, 講師 (20967260)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 経頭蓋静磁場刺激 / 脳卒中片麻痺 / リハビリテーション / 治療効果 / 経頭蓋静磁場刺劇 / Neurorehabilitation / 多施設間共同研究 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,新たな非侵襲的脳刺激法の一つとして注目されている経頭蓋静磁場刺劇(transcranial Static Magnetic Stimulation;tSMS)がある. tSMSは,強力な永久磁石を頭表に留置するのみで,脳内の興奮状態を抑制することが明らかとなっている. 本研究の目的は,脳卒中片麻痺患者の運動麻痺を改善させる治療法として,tSMSとリハビリテーションの併用療法効果を検証し,臨床的有効性を明らかにすることである.また,より多くの臨床現場でtSMSの治療方法を汎用化させ,医療費と介護費の削減に寄与することである.
|
研究実績の概要 |
脳卒中後の重度運動麻痺などの障害は我が国の要介護原因の第一位であるため,その解決は大変重要な課題である.近年,脳卒中後の運動麻痺の機能回復を高める非侵襲的脳刺激法(Non-Invasive Brain Stimulation;NIBS)が注目されている.NIBSの代表的な一つに低頻度反復経頭蓋磁気刺激(Low frequency‐repetitive Transcranial Magnetic Stimulation;Lf‐rTMS )がある.Lf‐rTMSは,損傷半球の脳内の可塑性を高めることが可能であり,リハビリテーションとの併用で運動機能回復をさらに高めることが立証されている.しかし,rTMSの機器は非常に高価で様々な制約があり,臨床現場において容易に導入できず普及されないのが現状である. 一方,近年,新たなNIBSの一つとして注目されている経頭蓋静磁場刺刺激(transcranial Static Magnetic Stimulation;tSMS)がある.tSMSは,強力な永久磁石を頭表に留置するのみで,脳内の興奮状態を抑制することが明らかとなっている.tSMSは,けいれん誘発や火傷などのリスクはなく,永久磁石のみを用いるため特殊な設備を必要とせず,刺激中もリハビリテーションと併用することが可能である.そこで,我々は,Lf‐rTMSの代用として,安心・安価・簡便なtSMSの臨床応用への可能性に着目している.しかしながら,tSMSが脳卒中後の運動麻痺の機能回復を促進するのかについては明らかにされていない. 本研究の目的は,Lf‐rTMSと同様にtSMSが脳卒中後の運動麻痺の機能回復を高めることができるのかについて臨床的有効性を検証することである.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在,tSMSを用いた脳卒中片麻痺患者に対するリハビリテーションの有効性について,多施設間共同研究を継続して実施している段階である.共同研究施設は,順調に獲得できているが取り込み基準を満たす症例が少ないなどの経緯があり,当初予定していたリクルート人数には至っていない.しかし,現時点では,経頭蓋静磁場刺激の有害事象の報告もなく,数例ではあるがtSMSとリハビリテーションを併用することで上肢の運動麻痺の治療成績が向上している.このため,今後も,共同研究施設の獲得を継続し,症例数の確保に尽力したいと考えている.
|
今後の研究の推進方策 |
新たな共同研究施設の獲得の継続と,共同研究施設での臨床研究が円滑に遂行できるように助言や援助を積極的に行っていきたいと考える.そして,症例数を満たした上で,脳卒中片麻痺患者の運動麻痺を改善させる治療法として,tSMSとリハビリテーションの併用療法効果について成果発表を行っていく.
|