研究課題/領域番号 |
22K21226
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
玉井 伸典 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学・研究部, 契約研究員 (20963903)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アスリート / コンディション / 疲労 / 評価 / 唾液 / ヒトヘルペスウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
アスリートがパフォーマンスの向上を実現するためにはトレーニングが不可欠であるが、トレーニングに伴う身体疲労はパフォーマンスの向上を阻害する主要因である。競技生活の中で身体疲労の適切なコンディショニングを図るためには、スポーツ現場でも実用的な評価法の確立が求められる。近年では唾液が簡便かつ非侵襲的に採取可能な検体として扱われており、特に唾液中ヒトヘルペスウイルスが身体疲労の新たな評価指標として有用である可能性が示されている。そこで本研究は、唾液中ヒトヘルペスウイルスの①効率的な測定方法の確立および②身体疲労に対する感度・特異度の検討に取り組み、スポーツ現場への実用化を目指す。
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研究実績の概要 |
唾液中ヒトヘルペスウイルス(HHV)を指標とした身体疲労評価法をスポーツ現場で実用化することを目標とし、本研究では効率的な測定方法の確立(課題①)および身体疲労に対する感度・特異度の検討(課題②)に取り組んだ。 課題①:唾液中HHV測定の精度・効率を向上させるため、いかに短時間で高濃度・高純度のDNAサンプルを抽出するかに焦点を当てた。健常成人男性15名・女性15名を対象とし、先行研究を参考に選出した唾液採取法3パターンと核酸抽出法2パターンを掛け合わせた計6パターンでDNAサンプルを抽出した。DNA濃度・純度や唾液中HHVの検出率、測定誤差等を比較した結果、流涎法で唾液を採取して磁気ビーズ法で核酸を抽出する方法が現状で最も精度・効率よく唾液中HHVを測定できると考えられた。 課題②:唾液中HHV濃度がどの程度の身体的負荷によって変動するのか、また精神的負荷によっても変動するのかを調査した。健常成人男性8名を対象とし、高・中・低強度運動負荷ならびに暗算負荷、無負荷の5条件をそれぞれ15分×2回実施した。その結果、唾液中HHV濃度は高・中・低強度運動負荷条件のみで上昇し、暗算負荷と無負荷条件では変化がみられなかった。従って、唾液中HHVは身体疲労評価において感度・特異度ともに高い指標である可能性が示唆された。 以上のように、唾液中HHVの効率的な測定方法を確立し、実際に取得したデータの解釈に不可欠な身体疲労に対する感度・特異度も検討できたことから、本研究の目標は達成できたと考える。本研究で得られた成果は学会や論文等で順次発表する。今後の研究では唾液中HHVを用い、スポーツ現場で実践されているリカバリー方法の有効性の検討に着手する予定である。
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