研究課題/領域番号 |
22K21234
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
古賀 大樹 筑波大学, 体育系, 博士特別研究員 (80963602)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | クロール / 手部推進力 / 動作タイミング / 体幹ローテーション |
研究開始時の研究の概要 |
水中で「水をかく」ことにより効果的に推進力を得るには,手部の移動速度の高さが重要である.その手部の移動速度は,上肢の連結する体幹上胴のロール動作の影響が大きい.そこで,予備調査として手部推進力・手部速度・体幹部の上胴・下胴のロール動作を熟練度の違いにより比較した.その結果,上胴ではなく下胴のロール動作のタイミングに違いが観察されたため,効果的な推進力発揮に対して全身の動作タイミングの調査が求められる. したがって,本研究では,一流競泳選手と一般競泳選手を比較し,大きな手部推進力の発揮に必要な体幹部のロール動作 (全身の長軸周りの回転動作) と下肢動作タイミングを明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究は,男子競泳選手を対象に,一流競泳選手と一般競泳選手を比較し,大きな推進力の発揮に必要な上胴のロール動作 (体軸の長軸周りの回転) と下肢動作タイミングを明らかにすることを目的とした. 実験参加者は,一流男性競泳選手6名と (上位群),地方大会レベルの一般男性競泳選手7名の2つのグループ (下位群) であった.参加者は,まず実験用水槽での試技の流速設定のため,通常の屋内プールで25 mクロールを全力で泳いだ.その際の15-25 m 間のタイムから試技流速を決定した.その後,実験用水槽で,先に算出した流速で10秒間クロールで泳いだ.試技では,手部表面の圧力分布分析と3次元動作分析を実施した. 手部で発揮された推進力は,全水中局面およびPush局面において上位群の方が有意に高い値を示した.合成手部スピードは,全水中局面のおよびPush局面において上位群で有意に高く,後方への手部速度はPush局面で有意に高かった.ロール角度の最大値は,群間で差がなかったが,上位群で肩と膝の最大ロール角速度が有意に高かった.肩の最大ロール角速度はPush局面で確認された. 膝のロール角速度のピーク値は手の出水までに4回確認され,すべてのピークのタイミングは群間に有意な差が認められた.上位群では,第1ピーク後に腰および肩がロールバックし,第3ピーク後に肩の最大ロール角速度が確認された.下位群では,第1ピーク後に腰のみがロールバックし,第2ピーク後に肩がロールバックし,第3ピーク後に肩の最大ロール角速度が確認されたが,第3ピーク後から肩の最大ロール角速度が現れるまでタイムラグがあった. 以上のことから,一流競泳選手は,大きな推進力を発揮するために,下肢(膝)の最大ロール角速度と肩のロール動作(ロールバックおよび最大ロール角速度)が連動するようにタイミングを図っていたと考えられる.
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