研究課題/領域番号 |
22K21236
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
大澤 優輔 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (00966509)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高齢者歩行 / 歩容 / フィードバック訓練 / 機械学習 / モーションキャプチャ / リハビリテーション / 生成AI |
研究開始時の研究の概要 |
近年,訓練者の歩容を計測し,目標値と計測値をフィードバックする歩容訓練手法が提案されている.しかし,従来の目標値設定では,身体的個人差に対するロバスト性に課題が残る.本研究では,身体的個人差を考慮した目標歩容生成手法および歩容フィードバック訓練システムの開発を目的とする. 高齢者を対象とした歩容分類モデルを構築し,運動学・力学的観点からモデルの妥当性を評価する.また,特徴活性化手法を用いた目標歩容生成手法を提案する.加えて,地域高齢者に対して即時・中期的歩容訓練を行い,有効性を検証する.この研究により,多様な歩容障害に対して,専門家の介入を必要とせず,身体的個人差を考慮した歩容訓練が可能となる.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,多様な歩容障害に対して,専門家の介入なく,訓練者に適した歩容訓練を行うために,身体的個人差を考慮した目標歩容自動生成手法の提案と歩容フィードバック訓練システムを開発することである.これまでの研究で,若年者が高齢者歩行を疑似的に再現した際の歩容データ取得実験を行い,それに基づいてMC-DCNNによる歩容分類モデルの構築と,モデルが学習した特徴を活性化することによる目標歩容生成手法を提案してきた.本研究期間では,実際の高齢者の歩容データを取得し,既存モデルの適用可能性と生成された目標歩容の運動学的・力学的妥当性を検討する.また,その目標歩容生成手法を導入した歩容フィードバック訓練システムを構築し,その即時・中期訓練効果の評価を行う. 本年度は,初年度に検討した実験条件に基づき,65歳以上の地域健常高齢者男女18名,20代の健常若年者男女15名を対象に歩容データ取得実験を行った.実験では,実験協力者の身長・体重・体組成を計測したのち,複数の歩行速度条件下における全身の関節角度と床反力を光学式モーションキャプチャとトレッドミルに内蔵された床反力計を用いて測定した. また,先行研究にて作成した歩容分類モデルに対して,本実験で得られた高齢者歩容を適用し,その実用可能性を検討した.これまでの歩容分類モデルに基づく特徴活性に依る目標歩容生成手法では,人間の歩行動作として不可能な,あるいは無理のある歩容が生成されることがあったため,モデル構造の再検討を行い,生成AI技術のひとつであるCycle GANを歩容データに応用した目標歩容生成モデルを構築した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度にコロナの影響で実験協力者の募集が困難であったため,当初計画から遅れている.本年度は,地域高齢者,若年者合わせて33名に対して実験を行い,先行研究のモデルの適用範囲の検証や新規モデルの構築を行なうなど,概ね順調であった.
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今後の研究の推進方策 |
まず,本年度に構築した新規の目標歩容生成モデルを導入した歩容フィードバック訓練システムを構築する.これは,計算用PC,光学式モーションキャプチャ,床反力計内蔵トレッドミル,視覚的フィードバック用大型ディスプレイから構成され,訓練者がトレッドミル上で歩行している際の歩容データを計測し,リアルタイムに目標歩容生成モデルによって訓練者個人に適した目標歩容が生成され,ディスプレイによって現在の歩容と目標歩容が視覚的に提示されるものである. 次に,地域高齢者に協力を依頼し,本システムを用いた歩容訓練を1か月程度行っていただき,システムの即時・中期訓練効果を評価する.実験協力者は自立歩行可能な65歳以上の男女10~20名程度を予定している.
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