研究課題/領域番号 |
22K21237
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0909:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
井上 貴博 新潟大学, 脳研究所, 助教 (20964521)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経回路 / 皮質脊髄路 / 抑制性ニューロン / 神経活動 / 脳卒中 / 再編 |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中後において残存した皮質脊髄路の再編は、運動機能の回復を支える神経機序の1つである。こうした再編を促す上で、回路網を形成するニューロンの神経活動が重要であると考えられているが、神経活動の制御を担う抑制性ニューロンが回路再編へもたらす作用とそのメカニズムについては理解が進んでいない。本研究では「抑制性GABAニューロンの時空間特異的な脱抑制操作により、脳卒中後の皮質脊髄路再編を促すことができるか」という仮説を分子・形態・機能の観点から検証し、抑制性ニューロンの制御による回路再編機序の統合的な理解を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、神経活動の制御をになう抑制性GABA ニューロンに着目し、皮質脊髄路の神経活動や回路再編を制御するメカニズムを統合的に明らかにすることを目的とした。本研究を通して、大脳皮質GABA ニューロンの標識や時空間特異的な脱抑制操作を可能とする手法を確立し、GABAニューロンと皮質脊髄路の接続様式や脱抑制操作がもたらす作用を見出した。また、脳卒中後の回路再編を促進する方法論の一端が明らかになり、再編をもたらす因子を網羅的に探索する実験基盤も確立することができた。本成果は、皮質脊髄路再編における抑制性回路の制御機構の統合的な理解に貢献すると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳卒中などの脳血管障害により中枢神経がダメージを受けると、神経回路が破綻し様々な機能障害が生じる。運動機能障害をはじめとする身体機能の障害は、本邦において介護を要する主な原因となっているが、根本的な治療法は確立していない。一方、障害を逃れて残存した回路の再編は、機能回復に寄与することがわかってきており、回路再編の制御が機能回復に向けた治療標的になると考えられている。本研究が見出した大脳皮質の抑制性回路による制御機構に関する知見は、再編をもたらす基本原理の理解や、機能回復を促進する新たな治療戦略の確立に貢献することが期待される。
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