研究課題/領域番号 |
22K21284
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1001:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 (2023) 慶應義塾大学 (2022) |
研究代表者 |
藤木 大地 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60963254)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 計算機アーキテクチャ / インメモリ計算 / メモリアーキテクチャ / キャッシュ / PIM |
研究開始時の研究の概要 |
インメモリ計算というメモリの中で直接計算を行う技術が、データ移動に係る膨大なコストを低減させる効果があるとして注目を集めている。本研究では、多様なメモリを持つ現代のコンピューティングシステムが、このインメモリ計算技術によってどう変貌するか探求する。そのため、複数のインメモリ計算基盤に着目しながら、GNNなどの動的なアプリケーションの効果的な実行方法を模索し、複数レイヤインメモリ計算技術の有用性を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究は、複数階層インメモリコンピューティング(MLIMP)を用いた計算機のアーキテクチャ上の課題解決に取り組んだ。異種メモリ間のトレードオフの積極的活用のため、GNNなどの機械学習やデータ並列型ワークロードを対象に、タスクスケジューリングと性能予測手法を考案した。
また、MLIMPがメモリ中心型計算における局所性活用課題を解決する可能性を見出した。単一階層では困難だったメモリアクセスに関する局所性活用を、メモリ階層間の性能差を利用したインメモリ計算によって実現した。入力・出力コヒーレンスを保証する「ビュー」という概念を導入し、ビューの再利用を可能にするキャッシュのプロトコル拡張を定義した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、複数階層インメモリコンピューティングという新しい計算機アーキテクチャの提案と、その上で機械学習やデータ並列処理を効率化するスケジューリング・性能予測手法を提案した点にある。また、コヒーレンスに関する課題を新たに発見し、有用なプロトコル拡張を定義したことは高く評価されている。
社会的意義としては、本研究の成果がGNNなどのデータインテンシブな計算の高速化に繋がり、創薬や金融分野におけるシミュレーションの効率化に貢献できる点が挙げられる。また、インメモリコンピューティングの汎用化は、将来的に様々な計算処理の高速化に繋がり、省エネルギーな社会の実現にも貢献する可能性がある。
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