研究課題/領域番号 |
22K21306
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中野 那津子 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (90966938)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 睡眠時無呼吸 / 心拍変動 / 重症度 |
研究開始時の研究の概要 |
閉塞性睡眠時無呼吸では過度の眠気や睡眠の質の低下、疲労感などの症状を訴えることが多く、覚醒反応による睡眠の断片化はそれら症状の原因のひとつとなっている。 一方、診断および重症度評価として汎用されている無呼吸低呼吸指数と症状の程度の相関は乏しく、終夜睡眠ポリソムノグラフィ(PSG)では皮質下覚醒反応は捉えられていない。 本研究では、PSGに記録されている心電図の心拍変動(HRV)解析を行い、自律神経バランスと睡眠への影響を評価し、HRV解析は新たなOSAの重症度の指標になりえるのかを検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,軽度から中等度の閉塞性睡眠時無呼吸患者のPSG心電図データを用い,HRV解析を行った。N2仰臥位においてイベントのない区間と低呼吸を認める区間で比較した結果,低呼吸によりLF,LF/HFの増加を認め,交感神経活動の亢進が示唆された。しかし,患者別のパワースペクトル密度(PSD)ではイベントの有無に関係なく,LF優位型,HF優位型などの傾向があり,さらにLF,LF/HF値は軽度の患者で高い傾向を認めた。以上より,HRV解析結果は,判定しうる呼吸イベントの有無だけでなく患者の呼吸パターンや脳波変化などを反映している可能性が考えられ,これらを考慮した結果の解釈が必要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
呼吸イベントだけでなく自律神経のバランスを反映しうるHRV解析を用いた本研究により,治療の必要性を過小評価する可能性のあるAHIに基づく重症度評価に替わり,HRV解析は睡眠分断の要因と睡眠の質を反映する新たな指標となり得ると考えられた。方法論の確立により,治療選択に活かされる,睡眠呼吸障害の多様性の評価が可能となる点で臨床的に意義がある。
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