研究課題/領域番号 |
22K21321
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1002:人間情報学、応用情報学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
宮脇 裕 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 産総研特別研究員 (70965417)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 運動主体感 / 運動補助 / 外骨格型ロボット / 運動制御 / ロボット / 筋電計測 |
研究開始時の研究の概要 |
ロボットの補助により人が本来遂行できない運動を遂行可能にすることが、運動スキルの獲得に効果をもたらすと期待されている。この実現には、単に動かされるだけでなく、対象者自身も運動を試みる必要があり、運動を駆動する役割を持つ運動主体感、つまり「自分が運動を制御している」という感覚を運動補助時に与える必要がある。 本研究は、①運動補助が運動主体感を奪う可能性、②知識などの認知的手がかりにより、運動補助時でも運動主体感を保持できる可能性の2点を検証する。本研究の達成は、運動補助時に運動主体感を自在に与え、拡張された運動を自身の能力として獲得させる技術の開発に貢献することが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、健常者を対象に上肢のリーチング運動を計測し、この際に外骨格型ロボットを用いて上肢運動に対する運動補助を実施した。この実験により、ロボットによる運動補助が「自分が運動を制御している」という感覚である運動主体感にどのような影響を及ぼすのか、またその結果として運動制御にどのような変化が起こるのかを検証した。実験の結果、単調な運動補助を繰り返し受けることにより、運動主体感が減少し、補助を解除した際の運動エラーが増大した。この結果から、ロボットによる単調な介入が運動主体感を奪い、その結果として運動戦略の変容が起こる可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外骨格型ロボットは、運動障害を有する方のリハビリテーションなど、運動を補助する目的で使用されており、今後の技術発展に伴いますます身近なものになることが予想される。一方で、こういったロボットによる介入が心理的側面にどのように影響し、その結果として運動にどのような影響を及ぼすのかは明らかになっていない。本研究は、この問いを明らかにするとともに、たとえロボットに介入されていても、「自分自身が運動を制御している」と感じられる介入手法の開発に貢献することが期待できる。
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