研究課題/領域番号 |
22K21331
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
長谷川 知子 立命館大学, 理工学部, 准教授 (60615524)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 植林 / バイオエネルギー / 二酸化炭素回収 / 植林炭素吸収 / 食料安全保障 / 生態系保全 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題は、世界全域を対象として気候長期目標と食料安全保障、生態系保全を同時に考慮した、植林による炭素吸収ポテンシャルの推計手法を開発する。本手法では、高い空間解像度の世界土地利用分配モデルでこれまで抽象的に扱ってきた樹種を詳細に扱い、樹種選択を数理計画問題内で内生的に扱うことで、生態系を考慮した植林炭素吸収量の推計を可能にする。それを全世界に適用し、持続可能な食料・土地利用システムと整合的な植林面積・樹種、炭素吸収ポテンシャルを定量的なシナリオとして示す。
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研究実績の概要 |
2015年に締結されたパリ協定において気温上昇を2℃または1.5℃以下に保つ目標を掲げられ、温室効果ガス排出削減政策が必要となり、植林と二酸化炭素の回収・貯留付きのバイオエネルギー(BECCS) が注目されている。BECCSに関しては排出削減ポテンシャルとその持続可能性への影響に関しては研究されてきたが、植林についてはまだ限られており、特に植林の森林タイプによる影響については明らかになっていない。 そこで、今年度は異なる樹種による炭素収支のグリッドデータを作成し世界土地利用分配モデルに組み込むことで、植林とその森林タイプの選択による排出削減ポテンシャルとその環境、経済、土地利用変化にかかわる要素への影響をBECCSと比較しながら評価した。その結果、2℃目標相当の排出削減で植林のみにより二酸化炭素除去を行ったシナリオにおいて2100年時点で植林の二酸化炭素吸収量は10600MtCO2/年となり、これはBECCSのみで二酸化炭素除去を行うシナリオでのBECCSの削減ポテンシャル(19100MtCO2/年)を下回ることがわかった。一方、植林はBECCSと比べ、環境への影響が少ない点や導入コストが低いことが明らかとなった。 このように、1年目は予定通り、異なる樹種による炭素収支のグリッドデータを作成し世界土地利用分配モデルに組み込むことができた。さらに後半にはシミュレーションの開始、各シナリオの想定の定量化、モデルへの入力、各種指標を推計することができており、おおむね順調に進展している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目は予定通り、異なる樹種による炭素収支のグリッドデータを作成し世界土地利用分配モデルに組み込むことができた。さらに後半にはシミュレーションの開始、各シナリオの想定の定量化、モデルへの入力、各種指標を推計することができており、おおむね順調に進展しているとみなす。
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今後の研究の推進方策 |
シナリオ別の結果を比較分析し、最後にとりまとめ、論文を執筆する。
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