研究課題/領域番号 |
22K21340
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
1101:環境解析評価、環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
研究代表者 |
藤原 匠 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 電気情報学群, 助教 (40966248)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 森林構造 / ボクセルモデル / UAV観測 / 反射率シミュレーション / UAV計測 / 落葉広葉樹 |
研究開始時の研究の概要 |
森林に到達・吸収される光合成有効放射量(PAR)は、光合成生産量を推定するための重要な要因であるが、計測が煩雑である。そこで、仮想森林を用いたアプローチにより衛星画像からPARを推定するためのアルゴリズムが開発されている。しかし現実の森林との乖離や、多種多様な樹種・季節変化は考慮されていないため不確実性が高い。 そこで本研究では、無人航空機(UAV)により取得した精緻な多方向観測データを基に、これらの課題についての検討と仮想森林の新たな作成方法を探る。樹種ごとに多方向観測による反射率の変化を解析し、それを属性に与えたボクセルモデルにより構成する仮想森林を開発する。
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研究実績の概要 |
当該年度に実施した研究と成果としては、反射率シミュレータに、斜面や葉の傾きをパラメータとして加えることで、森林表面の影をより詳細に再現したことである。これらの成果は「研究目的」に掲げた「樹種ごとに多方向観測による反射率の変化を解析」へ寄与することが期待できる。 日本のような山間地域の森林の場合、斜面方位や斜度により森林に到達する光合成有効放射量が大きく異なる。山間地域で取得された森林の点群データを用いて、シミュレーション方法の妥当性を検証した。検証方法は、実際の斜面方位・斜度上に樹冠形状が異なる仮想森林を4種類作成し、それぞれから反射率シミュレーションした結果と衛星センサ(Sentinel-2)が観測した反射率と比較した。研究成果は日本写真測量学会の令和4年度秋季学術講演会にて発表した。 葉の傾きを取り入れたシミュレータは既に存在しているが、本シミュレータの特徴としては、葉の傾きの違いにより生じる森林表面の影割合を計算できる点にある。これにより、同一の樹冠形状をもつ樹木であっても葉の傾きの違いによりどの程度反射率が異なるかをシミュレートすることが可能である。現在までにシミュレーション方法は提案できたため、検証作業を行なっている。実際の樹木・森林を葉のスケールでモデリングすることが難しい。そこで詳細な樹木モデルを生成できるソフトウェア(Blender)を用いて、葉の傾きが異なる樹木の3Dモデルを生成し、レイトレーシングによりどの程度影割合が異なるか検証している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、葉の傾きを取り入れたシミュレーション方法が提案できた。詳細な検証方法は実施できていないが、樹木モデリングソフトを使用することや、空撮SfMによる森林の3次元モデルが利用できると想定される。これらを勘案すれば、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
提案した反射率シミュレーション方法を2段階で検証する。まずは、樹木モデリングソフトから出力した樹木モデルを用いる。このモデルを利用することで、オクルージョンのない理想的な状態でのシミュレーション精度を確かめる。次に、空撮SfMによって取得した森林モデルを用いる。斜め視画像による反射率の変化をシミュレーション方法で再現できるか確かめる。最終的には、これまでに研究協力者が蓄積していた多時期の空撮画像を用いてシミュレーション方法の検証を行なっていく。
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