研究課題/領域番号 |
22K21350
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際先導研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
三原 智 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (80292837)
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研究分担者 |
大谷 航 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 准教授 (30311335)
北野 龍一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50543451)
三部 勉 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (80536938)
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研究期間 (年度) |
2022-12-20 – 2029-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
680,160千円 (直接経費: 523,200千円、間接経費: 156,960千円)
2028年度: 59,150千円 (直接経費: 45,500千円、間接経費: 13,650千円)
2027年度: 67,600千円 (直接経費: 52,000千円、間接経費: 15,600千円)
2026年度: 75,920千円 (直接経費: 58,400千円、間接経費: 17,520千円)
2025年度: 115,960千円 (直接経費: 89,200千円、間接経費: 26,760千円)
2024年度: 146,120千円 (直接経費: 112,400千円、間接経費: 33,720千円)
2023年度: 111,540千円 (直接経費: 85,800千円、間接経費: 25,740千円)
2022年度: 103,870千円 (直接経費: 79,900千円、間接経費: 23,970千円)
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キーワード | 大強度ミューオンビーム / ミューオン冷却 / ミューオン加速 / ミューオン稀崩壊粒子測定技術 / ミューオンコライダー / ミューオン崩壊粒子測定技術 / ミューオン / レプトンフレーバー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新たに構築する国際協力体制によりミューオン素粒子物理を強力に推進する。3つの世界最高感度のミューオン素粒子実験であるg-2/EDM実験、MEG II実験、COMET実験において新物理発見を目指すとともに、大強度・高輝度ミュー オン源と測定技術の開発を行い、新物理全容解明を可能にする次世代実験の実現を目指す。更には、こういった国際的な共同研究を通じて次世代実験を担う優秀な若手人材の育成も実施する。
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研究実績の概要 |
2023年度には構築してきた国際協力体制によりミューオン素粒子物理研究を遂行した。本研究では3つの世界最高感度のミューオン素粒子実験で新物理発見を目指して、大強度・高輝度ミューオン源と測定技術の開発を行い理論グループと協力して新物理全容解明を可能にする次世代実験の実現を目指している。 2023年度は研究の2年目にあたり研究体制の強化を行い具体的な研究推進へと移行した。研究の4つ柱である大強度ミューオンビームに関連した技術開発、 ミューオン冷却・加速技術の開発、ミューオン崩壊粒子測定技術の開発、新物理理論と将来のミューオンコライダーの理論研究において、本研究の研究費により若手人材の雇用を開始し、大学院生も含めて本研究に参加する若手研究者が国内外で研究に集中できる環境の整備を進めた。 具体的な研究成果としては、大強度ミューオンビームに関連した技術開発においては2022年度にJ-PARCにて取得した8GeV陽子によるパイ中間子の後方生成データを若手が中心となって解析を行い、このような条件でのミューオン生成率を世界で初めて導出した。ミューオン冷却・加速技術の開発においては、ミューオン冷却を実施しミューオンの位相空間分布を測定した。ミューオン崩壊粒子測定技術の開発においては、μ→eγ崩壊によって生じるガンマ線を捉えるための液体キセノン検出器の安定運転を実現し大統計での物理データの取得を行なった。これらの研究においてはいずれも本研究資金により雇用された若手研究者、大学院生が中心となって実現したものである。また、2023年6月には本研究メンバーが中心となって準備してきたミューオン物理に関する国際会議(CLFV2023)を、10月にはPSI研究所との共同研究会(BRIDGE)を実施し、11月にはKEK-PH2023を、2024年3月には理論実験グループが合同で国際研究会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続き、海外研究機関への派遣行いつつ、海外協力研究者らの来日を促し国際共同研究を活発に推進している。2023年度にはのべ16名の若手研究者が短期海外渡航を行い、1か月を超える長期海外派遣については4名の若手研究者が行なった。また日本国外からは大学院生、ポスドク研究者を含めて30名を超える来日があった。 日本国内で若手研究者が研究を実施するために要となる環境の整備、PSI研究所における研究環境の整備はほぼ完備し、本研究の研究費による若手研究者の雇用は当初は遅れがあったが現在は予定通り行われている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度には雇用した若手研究者と大学院生が主体となって、本格化してきた研究の4つの柱で研究を遂行する。2024年度には前年度に引き続き若手研究者らが海外の研究機関に長期滞在して研究を遂行するための派遣を実施し、海外協力研究者と協力して研究を遂行する。大強度ミューオンの生成技術の開発においてはビーム生成に必要となる遮蔽体の整備を継続し、ミューオン冷却・加速技術の開発においては前年度得られた超冷却ミューオン位相空間分布に基づくミューオン加速の実現、ミューオン崩壊粒子測定技術の開発では大統計でのμ→eγデータの取得と光センサーの高度化、新たなミューオン物理用検出器の開発を実施する。理論研究においてはミューオン物理を通してTeVスケール物理を探る手法に関して若手研究者・シニア研究者が一体となって研究を継続する。 2024年度には本研究の研究代表者と分担者が組織委員として準備してきたミューオン物理に関する国際研究会をPSI研究所で開催する。この研究会では若手研究者らにこれまでの研究成果について講演を行なうよう促すとともに、会議に参加して豊かな国際性を早い段階から身につけていくことを目指す。また2023年度から研究の活性化が起こったミューオンコライダー計画に関して、理論、実験の双方から本研究の研究成果を反映させるべく、米国で開催予定の国際ワークショップに若手を含めた本研究の研究グループメンバーが参加する。
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