研究課題/領域番号 |
22K21351
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際先導研究)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柳沢 正史 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (20202369)
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研究分担者 |
阿部 高志 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (00549644)
本城 咲季子 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 助教 (30551379)
林 悠 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 客員教授 (40525812)
史 蕭逸 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 助教 (40803656)
桜井 武 筑波大学, 医学医療系, 教授 (60251055)
坂口 昌徳 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (60407088)
坪田 有沙 (平野有沙) 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60806230)
ラザルス ミハエル 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (80469650)
斉藤 毅 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (80609933)
Vogt Kaspar 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (80740034)
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研究期間 (年度) |
2022-12-20 – 2029-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
682,500千円 (直接経費: 525,000千円、間接経費: 157,500千円)
2028年度: 119,080千円 (直接経費: 91,600千円、間接経費: 27,480千円)
2027年度: 119,080千円 (直接経費: 91,600千円、間接経費: 27,480千円)
2026年度: 119,080千円 (直接経費: 91,600千円、間接経費: 27,480千円)
2025年度: 119,080千円 (直接経費: 91,600千円、間接経費: 27,480千円)
2024年度: 92,040千円 (直接経費: 70,800千円、間接経費: 21,240千円)
2023年度: 66,040千円 (直接経費: 50,800千円、間接経費: 15,240千円)
2022年度: 48,100千円 (直接経費: 37,000千円、間接経費: 11,100千円)
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キーワード | 睡眠 / 神経生物学 / 脳機能 / 創薬科学 |
研究開始時の研究の概要 |
睡眠の謎の解明という挑戦に頑強に抵抗している睡眠時間の遺伝的制御等の疑問や、我々の最近の知見によって新たに生まれた疑問に答えるために、我々は、睡眠科学の国際コミュニティのあらゆる専門知識を結集して、国際共同研究を計画する。この共同研究は、神経生物学の4つの領域、すなわち、i) 分子・細胞神経生物学、ii) 神経回路・システム神経生物学、iii) 認知・行動神経生物学、iv) 化学神経生物学の4つの領域から構成され、遺伝子、タンパク質、細胞、脳の核や領域間の神経回路、行動、化学プローブや医薬品など、さまざまなレベルの問題に取り組んでゆく。
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研究実績の概要 |
本国際共同研究の目的はIIISを中心とした神経生物学者のグローバルネットワークを構築し、睡眠の謎を解明することである。IIISは最先端技術を駆使して睡眠の謎に挑み、得られた多くの知見は睡眠の謎を解くための基礎となったが、謎は完全に解明されたわけではなく、睡眠時間の遺伝的制御等の大きな謎が残されている。睡眠の謎の完全解明のためには、私たちと異なる能力や技術を有し、補完し合う専門家の協力・支援が必須である。 この共同研究は、神経生物学の以下の4つの領域でさまざまなレベルの問題に取り組んでゆく。1.分子・細胞神経生物学:睡眠覚醒の制御に関わる遺伝子、タンパク質、細胞間情報伝達物質などあらゆる“分子”を網羅的に洗い出し、複雑なパズルの1ピースずつをはめ込むように、睡眠の全体像を完成させる。2.神経回路・システム神経生物学:睡眠覚醒制御の実行系である神経回路について、その複雑に張り巡らされた一つひとつを神経機能・形態学的に解きほどき、睡眠の操作を人工的に可能にすべく、その神経回路の特徴さらには正体をあらわにする。3.認知・行動神経生物学:我々の意識レベルに着目し、それを万全な状態で健康的に保つには、いかに脳や身体に良質な睡眠が必要であるかについて考えを深める。4.化学神経生物学:革新的なツールの開発に挑み、これまでにない切り口で睡眠覚醒制御機構を分解することによって睡眠の操作を可能にする技術を得る。 具体的には、毎年複数名の若手研究者を海外パートナーの世界トップレベルの共同研究者のもとに2-3年の期限で派遣して、神経生物学者のグローバルネットワークを組織するとともに、自らの可能性を革新したい若手研究者の自立性構築のためのサポートに注力する。初年度は体制を整備し、その準備を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IIISは最低でも年一回の国際シンポジウムを開催し、国際頭脳循環の活動を強化しており、2022年度は第11回WPI-IIISシンポジウムを、海外から研究者9名(国際先導研究の共同研究者3名を含む)を招聘してIIIS棟にて2023年2月22日に開催した。国内外合わせて151名の参加者が集い、グローバルネットワークの強化と最先端の睡眠医科学研究の英知を磨いた。 IIISの柳沢研究室に所属する博士課程学生浅野冬樹は学位取得後、海外パートナーのハーバード大からカリフォルニア大学デイビス校に転出したFuller教授の研究室にポスドクとして2023年3月30日留学を開始、さらにフォクト研究室の博士課程学生GoEun Hanは学位取得後、海外パートナーのテキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターにポスドクとして2023年4月に出発を予定している。本国際共同研究の事務的支援のため国際先導研究専任職員1名(5か国語対応可)を雇用し、更なる国際頭脳循環を加速するための基盤を整えた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、脳神経科学の中で特に睡眠覚醒制御機構の探究に焦点を当てて海外の研究者と共同研究を行う。IIISには常時ポスドク20人、大学院生50人以上が在籍して睡眠研究を実施している。人材育成費の大半はIIISから海外に研究拠点を移し、国際共同研究を遂行する若手ポスドクの人件費もしくは学位取得直後の留学をサポートする費用として使用する。具体的には、2023年度に3名程度の若手研究者を海外パートナーのラボへ2-3年の期限で派遣する。2024年度にはまた新しく3名程度を派遣。2025年度以降も新たに同様に派遣し、共同研究を推進する。IIISと海外研究拠点との睡眠医科学における国際先導研究は、個で奮闘する研究室が連携し強固な協力関係を築くだけでなく、それをコアとして「睡眠医科学」を発展させる神経科学者数増大の世界的波及効果を期待する。
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