研究課題/領域番号 |
22KF0014
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補助金の研究課題番号 |
22F32042 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡崎 太一郎 北海道大学, 工学研究院, 教授 (20414964)
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研究分担者 |
WANG YUANZUO 北海道大学, 工学研究院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2024年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2023年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 鋼構造建築物 / 地震 / 極低サイクル疲労 / 破断 / ひずみ硬化 / ひずみ時効 / 接合部 / 破壊力学 / 数値解析 |
研究開始時の研究の概要 |
極低サイクル載荷をうけて塑性変形した鋼材が亀裂を生じ、亀裂の進展で劣化し、やがて急激な破断に至る機構を理解するために、材料試験片、溶接接合部と高力ボルト摩擦接合部の繰返し載荷実験を実施し、高精度の計測と画像計測で挙動を記録・観察する。電子顕微鏡を利用して、亀裂発生、材料間のすべりなどの破壊過程を詳細に分析するとともに、繰返し載荷実験と照合する精緻な有限要素法解析を実施して、破壊を生じる力学的条件を逆算し、破壊則のパラメータを較正する。較正した破壊則を、材料力学と破壊力学を組み合わせた数値解析法に組み込み、研究代表者が実施する大型耐震構造実験を利用して、数値解析法の信頼性と正確性を検証する。
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研究実績の概要 |
地震を受けた鋼構造建築物において、極小数回の繰返し載荷で破断に至る鋼材の挙動を解明する目的で、下記の3つの研究項目を推進した。(1)鋼材に亀裂を生じる力学的条件を把握するために、材料の引張試験と引張・圧縮繰返し試験を実施した。(2)実験データに基づいて、鋼材の引張特性と塑性力学の構成則の一般的な関係を導く。(3)実験データに基づいて、鋼材の機械的特性と亀裂発生条件を関連づけ、機械的特性に応じた亀裂発生条件の予測式を導く。(1)と(2)では、二種類の鋼材について、5種類のノッチ入り供試体を製作し、それぞれに引張試験と引張・圧縮繰返し試験を実施してきた。ひずみ硬化とひずみ時効の影響を把握するために、大部分の試験体は、2%までの予ひずみを与えたあと、30日の養生期間をおいて、再度試験を実施した。(3)では、精緻な有限要素法解析を実験データに対して較正することで、予ひずみの有無、応力三軸度やロード角が、鋼材の引張特性と構成則、亀裂発生条件に与える影響を分析した。外国人特別研究員がこれまでに実施してきな研究の完成度を高めるとともに、地震被害を罹災した鋼構造建築物の残存性能やリユース性の評価を視野に、ひずみ硬化とひずみ時効を経たあとの引張特性と構成則の変化を新たな切り口として、実験と数値解析、データの分析を進めた。いずれの項目も、細部まで、外国人特別研究員と受入研究者との協議で立案したもので、外国人特別研究員が、受入研究機関の大学院生の補助を受けて実施した。
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