研究課題/領域番号 |
22KF0017
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補助金の研究課題番号 |
22F21401 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
宮本 明夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10192767)
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研究分担者 |
Yousef Mohamed Samy 帯広畜産大学, 畜産学部, 外国人特別研究員
YOUSEF MOHAMED 帯広畜産大学, 畜産学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 血小板 / INFT / 子宮 / 妊娠認識 / 免疫クロストーク / 受精卵 / IFNT / 自然免疫 / ウシ |
研究開始時の研究の概要 |
「ウシ受精卵移植後の受胎性向上」を目的に、初めて「血小板」を体系的に検証する。血小板は“核を持たない”が、機能する細胞内小器官と膜上レセプターを持つ! @新仮説:「血小板は初期胚ー子宮の免疫増幅因子であり、妊娠に向けた免疫寛容化を強める」 1.生体モデル:ウシ妊娠成立への血小板関与を検証。初期妊娠時の血小板遺伝子とタンパク発現を検証後、胚由来の免疫シグナルであるIFNTで血小板を培養刺激し、受精卵と同時移植して受胎性を検証。 2.培養モデル:子宮の初期胚センシングに始まる血小板を含む免疫細胞間の増幅メカニズムを検証。 以上から、血小板のウシ妊娠成立に向けた免疫システムへの貢献を明らかにする。
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研究実績の概要 |
ウシ受精卵移植後の受胎性向上を目的に、初めて「血小板」を体系的に検証した。血小板は“核を持たない”が、機能する細胞内小器官と膜上レセプターを持つ。@新仮説:「血小板は初期胚ー子宮の免疫増幅因子であり、妊娠に向けた免疫寛容化を強める」
1.生体モデル:ウシ妊娠成立への血小板関与の検証を予定していたが、血小板遺伝子解析に掛かる免疫細胞からの単離法(純度)が100%までは改善できず、2%以下の少数の他の免疫細胞を除くことが困難であった。PCR解析の増幅原理から、本モデルでの詳細な分子レベルの解析を断念した。
2.培養モデル:子宮の初期胚センシングに始まる血小板を含む免疫細胞間の増幅メカニズムを検証した。①健康なウシ子宮の灌流液から得た細胞群について血小板の特異的マーカーCD41を指標として血管外での血小板の存在を同定した。次に、4頭の経産乳牛の末梢血から単離した血小板を低濃度のIFNTで培養刺激し、その培養上清で、子宮上皮細胞を刺激し、さらに、同様の培養上清で好中球を培養して、それぞれの形質の変化を詳細に調べた。その結果、IFNTで刺激された血小板の培養上清は、子宮上皮及び好中球の主要な抗炎症性サイトカインであるTGFB発現を増加させ、一方、炎症性サイトカインであるTNFA,IL1Bを抑制した。同時に、この培養上清は、好中球のリポキシンA4(LAX4:抗炎症性媒介分子)産生を大きく増加させた。したがって、血小板が抗炎症効果の誘導を通じて子宮上皮および好中球とコミュニケーションする能力が明らかとなった。さらに、血小板は IFNTシグナル伝達の仲介分子の1つとしてウシの母体の初期妊娠認識に関与する可能性が示された。
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