研究課題/領域番号 |
22KF0018
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補助金の研究課題番号 |
22F22395 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
宮本 明夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10192767)
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研究分担者 |
Mohammadu Akuthar Muhammed Ihshan 帯広畜産大学, 畜産学部, 外国人特別研究員
MOHAMMADU AKUTHAR MUHAMMED IHSHAN 帯広畜産大学, 畜産学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2024年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 精子 / 子宮 / TLR2 / 自然免疫 / 体外受精 / 受胎性 / 受精卵 / ウシ |
研究開始時の研究の概要 |
ウシ受精卵移植後の高い受胎性を安定して得るために、①移植される側である受卵牛の子宮内の適度な生理的炎症反応による受精卵寛容の向上、②移植する側の体外受精卵の質と量の安定確保、の両側から、自然免疫受容体TLR2活性化を介した生理基盤の上に、受精卵移植までを通して検証するチャレンジである。人工授精時に精子が誘導する自然免疫反応(炎症)と同質の刺激を受卵牛にTLR2活性化で作出して、一方、ウシ精子TLR2を活性化して受精能・初期胚発生能力向上させ、上質で受胎性に優れる体外受精胚を作出して移植に進むスキームである。生殖免疫学に裏打ちされた、現実的で普遍性の高い技術開発の基盤が示されることになる。
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研究実績の概要 |
ウシ受精卵移植後の高い受胎性を安定して得るために、①移植される側である受卵牛の子宮内の適度な生理的炎症反応による受精卵寛容の向上、②移植する側の体外受精卵の質と量の安定確保、の両側から、自然免疫受容体TLR2活性化を介した生理基盤の上に、受精卵移植までを通して検証するチャレンジである。人工授精時に精子が誘導する自然免疫反応(炎症)と同質の刺激を受卵牛にTLR2活性化で作出して、一方、ウシ精子TLR2を活性化して受精能・初期胚発生能力向上させ、上質で受胎性に優れる体外受精胚を作出して移植に進むスキームである。生殖免疫学に裏打ちされた、現実的で普遍性の高い技術開発の基盤が示されることになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度:初年度で得た知見のサイエンス基盤を構築し、公表した。すなわち、本研究の基本的アプローチである精子TLR2活性化は、人工授精直後の子宮内でも起こる現象であり、超活性化が促進され、子宮腺への侵入が増加することで、炎症反応が確実に誘導されるメカニズムに貢献していると考えられた。その概念と相補的な意味を持つ、②移植する側の体外受精卵の質と量の安定確保、を目的に、ウシ精子の自然免疫センサーTLR2を介する受精・初期胚発生能力活性化の機能解明による、上質で受胎性に優れる体外受精胚を作出して、生存活性とダメージの詳細を検証した。現在進行中であるが、Day7の胚盤胞は発生速度が半日程度速く、生存性が高く、良質であることが示唆された。R6年度も、引き続き詳細な検証を進める予定。 上述の体外受精系と並行して、ウシ生体レベルで、子宮内に凍結精液に用いられる雄牛から得た精しょうを本来の人工授精適期Day1に投与して、Day7に受精卵移植された受卵牛の受胎率を調べる。精しょうが精子と同様に子宮腺のTLR2を弱く活性化することが培養系で確認できたからである。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度:最終年度は半年間となる。R5年度で詳細を検証した体外受精法、すなわち、④自然免疫センサーTLR2を活性化した精子による体外受精によって発生した初期胚盤胞を、Day7に受精卵移植して、その受胎性と移植直後の母体の免疫反応を検証する。同時に、作出した胚盤胞の質の検証をさらに進める。③本来、人工授精の際に精子が誘導する子宮腺のTLR2から始まる自然免疫反応(炎症)と同質の刺激を受卵牛でPamあるいは精しょう投与によって精子なしで作出し、Day7に受精卵移植して、その受胎性と移植直後の母体の免疫反応を検証する。100頭規模を目指す。
以上の一連の知見から、ウシ体外受精卵作出と、作出した受精卵の移植について、自然免疫受容体TLR2の新しい生理学・免疫学的役割と、受胎率向上に向けたそれらの技術開発への展開の道を示すことが期待される。
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