研究課題/領域番号 |
22KF0030
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補助金の研究課題番号 |
22F21777 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水上 成美 東北大学, 材料科学高等研究所, 教授 (00339269)
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研究分担者 |
SUD AAKANKSHA 東北大学, 材料科学高等研究所, 外国人特別研究員
Sud Aakanksha 東北大学, 材料科学高等研究所, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2022年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 積層反強磁性体 / 磁化ダイナミクス / 非線形ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
積層反強磁性体は、ナノスケールの厚みの強磁性体層と非磁性体層からなり、非磁性体層を介して働く相互作用により反強磁性体のようにふるまう人工ナノ構造磁性体である。この人工ナノ構造磁性体は強磁性体とは質的に異なる磁化(スピン)のダイナミクスを発現し、その特殊な性質を利用した様々なデバイス応用が期待されている。本研究では、次世代メモリ等への応用に向け、積層反強磁性体における特殊な磁性層間相互作用や非線形磁化ダイナミクスのデバイス応用について研究する。
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研究実績の概要 |
前年度には、積層反強磁性体を作製し、強磁性(音響)モードや反強磁性(光学)モードといった積層反強磁性体に固有の高速磁化ダイナミクスを評価した。スピン流の手法でそれらの線形モードダイナミクスに加えて、非線形領域のダイナミクスを観測できることも示した。その際、それら2つのモードが混成する特異な非線形ダイナミクスを観測することに成功した。本年度はこの成果をもとにさらに研究を継続した。モード混成ダイナミクスは反強磁性モードの固有周波数が強磁性モードの固有周波数の2倍のところで発生することが多くの実験から明らかとなった。またいくつかのサンプルにおける系統的な実験から、モード混成は強磁性モードの振幅とともに増大することも定量的に明らかとなった。解析モデルを構築し物理的な考察を進めたところ、観測された現象は、強磁性モードを固有状態とする二つのマグノンが混合し反強磁性モードを固有状態とする一つのマグノンになる、いわゆる3マグノン効果がコヒレントに生じることで発生する新しい物理現象であることが明らかとなった。積層反強磁性体では、強磁性モードと反強磁性モードに非常に強い非線形相互作用があることが明らかとなり、その強い相互作用によって比較的容易に非線形現象が発生することが理論的に示唆された。この現象はいわゆるキャビティフォトニクスでも議論されている第二次高調波発生といった現象と本質的に類似の現象であることも明らかとなった。積層反強磁性体をメモリ等に応用する際にも発現しうる効果であり、重要な知見が本研究によって得られた。実験ならびに理論モデルを併せて論文を準備中であり、まもなく投稿の予定である。
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