研究課題/領域番号 |
22KF0039
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補助金の研究課題番号 |
22F22081 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮澤 陽夫 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20157639)
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研究分担者 |
CHEETHIRALA MAHARSHI 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2024年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2022年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | マイクログリーン / 発芽種子 / 生理活性分子 / 栄養プロファイリング / ビタミン / ミネラル / 植物化学物質 / 抗肥満 / 質量分析 / 定量法 |
研究開始時の研究の概要 |
マイクログリーンの健康効果は、主にそれに含有される食品成分の生理作用の仮説に基づくものであるが、その組成と健康効果への直接的な影響を測定した研究はごくわずかである。したがって、マイクログリーンに含まれる食品成分組成を明らかにするための研究は重要である。本研究では、マイクログリーンは、ポリフェノール、アスコルビン酸、カロテノイド、有機酸、タンパク質、食物繊維を多く含むが、糖質は少ないという仮説を立てた。さらに、本研究では、マイクログリーンに含まれるさまざまな食品成分の定量化だけでなく、細胞や動物への代謝やメタボリックシンドロームに及ぼす影響についての検討も行う。
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研究実績の概要 |
今年度は青じその発芽種子とマイクログリーンを主な分析サンプルとして研究を進めた。発芽種子とマイクログリーンに含まれる様々な成分を定量するために、QTRAP6500+ HPLC-MS/MS(AB Sciex)、Sciex X500R QTOF(AB Sciex)、Agilent 8800 Triple Quadrupole ICP-MS(Agilent)、GC-MS TQ8040(株式会社島津製作所)などの各種分析装置を用い、分析方法や信頼性を評価するとともにサンプルの分析を進めた。分析の結果、青じその発芽種子は脂質、タンパク質、糖質、遊離アミノ酸、ミネラルを有意に多く含み、マイクログリーンはビタミンとポリフェノールを有意に多く含むことがわかり、それぞれに特徴的な成分が存在することを明らかにした。本研究成果は2023年9月に東洋大学白山キャンパスで開催された日本食品分析学会 令和5年度学術集会で「Nutrient profiling and comparative analysis of germinated seeds and microgreens of Perilla frutescens var. crispa f. viridis (青紫蘇 (アオジソ)」というタイトルで発表し、ポスター賞(優秀賞)をいただいた。現在、発表した研究成果を論文としてまとめ投稿にするために執筆を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
発芽種子とマイクログリーンの成分を定量するための公定法が存在しなかったために、新たに分析法を開発する必要があった。そのため、各種分析装置を用いた定量では、サンプルからの抽出法の開発のみならず、データの再現性、信頼性なども最適化する必要があり、予想以上に時間を要した。特に、クロロフィルの存在が実験結果に大きく干渉する問題が生じ、分析の課題となった。さらに、本研究では様々な分析機器を使用したため、それぞれの分析装置に合致した抽出・精製操作や分析に時間がかかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度で、本研究の遂行に必要な分析法をほとんど確立することができたので、予定していた世界中でより広く食されている他の植物資源の発芽種子とマイクログリーンの成分分析を引き続き早急に進める。現在、ビタミンB類の定量法の最適化を進めており、完了次第サンプル分析を進める予定である。さらに、発芽種子とマイクログリーンの生理作用を明らかにする検討を進める。これらの検討により、発芽種子とマイクログリーンの健康上の利点(特にメタボリックシンドロームを焦点とした)の違いを明らかにする。
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