研究課題/領域番号 |
22KF0047
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補助金の研究課題番号 |
21F21080 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坂口 昌徳 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 准教授 (60407088)
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研究分担者 |
VERGARA GARCIA PABLO 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2022年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2021年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | シナプス可塑性 / 新生ニューロン |
研究開始時の研究の概要 |
この研究は、新生ニューロンのシナプス可塑性が睡眠中の記憶固定化に不可欠であるかどうかを検証することを目的とする。睡眠中のシナプス可塑性が記憶固定化に関与することは以前から示唆されているが、直接的な因果関係を明らかにした研究は行われていない。本研究では、新しい光遺伝子学的ツールを使用して、新生ニューロンのシナプス可塑性と記憶固定化の関係を調べ、睡眠中の記憶処理メカニズムについて理解を深めることが期待される。
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研究実績の概要 |
成体期に新たなニューロンが生まれる数少ない領域である海馬歯状回に注目し、これらのニューロンの長期的な動態を探るための研究を行った。既存のカルシウムイメージング技術では、長期間にわたるニューロンの追跡が難しいため、新たな解析ツールCaliAli(Calcium Imaging Intersession Alignment)を開発した。 CaliAliは、長期実験におけるカルシウム信号を効率的に追跡・抽出するための包括的な解析パイプラインである。このツールは、カルシウムイメージングで得られる血管および神経構造を強調するフィルターを使用し、脳の整合性を修正する。また、長期間にわたる記録から生のデータを分離する特別なプロセスも備えている。さらに、バッチ処理を用いることで計算負荷を大幅に削減しつつ、高い性能を維持している。 CaliAliを用いた実験では、成体生まれのニューロンが文脈記憶の獲得後の睡眠段階で再活性化することを初めて示すことに成功した。これにより、記憶の統合におけるREM睡眠の重要性を新たに証明した。この成果は、CaliAliがニューロン追跡の新たな標準を設定し、神経ネットワークの進化と適応を長期にわたって研究する上で重要なツールとなることを示している。CaliAliのコードと論文はプレプリントとして公開されており、現在査読中である。
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