研究課題/領域番号 |
22KF0101
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補助金の研究課題番号 |
22F32028 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
植村 卓史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50346079)
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研究分担者 |
CHAND SANTANU 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2023年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2022年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | COF / 高分子 / ロタキサン |
研究開始時の研究の概要 |
ポリロタキサン構造の高分子は、特異な力学物性を示すことが複数の先行研究によって明らかになっているが、これまで研究されてきた材料系は例に乏しい。本研究では、多孔性物質の存在下で重合反応を行い、鎖状高分子が無数の多孔性空間内を貫通したトポロジー構造を有する新規ポリロタキサン材料の構築を行う。本研究を遂行することで、ポリロタキサン構造を持つ新しい材料系の合成手法が確立し、同類構造を有する革新的な高分子複合材料の開発を加速する。
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研究実績の概要 |
複数の環状分子が高分子鎖に貫通した構造を有するポリロタキサンは、その構造に由来したユニークな力学物性を発現することが知られており、有用な高分子素材として注目されている。しかし、その特異構造の合成の難しさから従来知られているポリロタキサンの種類は極めて限られており、普遍的かつ容易な合成アプローチの開発が望まれてきた。本研究ではこれまでの常識にとらわれない新しいポリロタキサン材料の合成法を開拓する。具体的には、①ナノサイズの細孔を有する結晶性物質内における重合反応、および②ナノ細孔物質と高分子の混合による複合化の2種類のアプローチを検討する。本年度はまず、②のアプローチに則り、ナノサイズの細孔を無数に有する共有結合性有機構造体(Covalent-Organic Framework: COF)を高分子鎖のホストとして選択し、ポリロタキサン状の構造を有するCOF/高分子複合体の合成を行った。 一般にCOFは結晶性の固体として得られるため、そのまま高分子と混合しても均一な複合体を得ることはできない。そこで、本年度はCOFを単一分子層からなるナノシートへと剥離し、得られたCOFナノシートと高分子を複合化させる手法を検討した。骨格に後修飾可能な官能基を有するCOFを設計・合成し、得られた結晶性COFへ適切な可能基変換反応を施すことによりCOF層間の相互作用を減退させることでナノシートへ剥離することに成功した。得られたCOFおよびナノシートの構造は、FT-IR、13C CP-MAS、TGA、DSC、AFM、DLS、PXRD等の種々の測定法により詳細に解析した。得られたCOFは水および極性有機溶媒へと良好に分散することも見出した。次年度に予定している複合化実験に備え合成法を最適化することで、本COFをグラムスケールで大量に得ることにも成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COFをナノシート状に剥離することに成功し、新しいポリロタキサン材料構築に向けた重要な知見が得られたため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度で合成に成功したCOFナノシートと典型的な非晶性高分子であるポリプロピレングリコールまたはポリジメチルシロキサン(PDMS)の複合化を行い、ポリロタキサン状構造の構築へと研究を進める。COFが有するナノ細孔(直径約2 nm)へ高分子鎖が複数貫通したポリロタキサンネットワークの形成が期待される。得られた複合体については、13C CP-MAS、DSC、AFM等を用いた解析により貫通構造を支持する結果を得るとともに、動的粘弾性試験により力学物性を調査し貫通ネットワーク構造特有の応力緩和挙動について詳細に検討する。なお、①の合成アプローチについても本COFを用いて検討する予定である。結晶性COF内で典型的なビニルモノマーの重合反応を行い、貫通構造を得た後にCOF/高分子複合体をナノシートへと剥離する。本手法で得た複合体はネットワーク構造を取りにくいと考えられ、②で得た複合体と物性を比較する上で有用である。これらのアプローチを用いれば、原理上あらゆる高分子鎖で同様のポリロタキサン/ネットワークを得ることができると期待される。
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