研究課題/領域番号 |
22KF0110
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補助金の研究課題番号 |
22F22324 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 肇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 名誉教授 (60159019)
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研究分担者 |
XI QING 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2022年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
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キーワード | 非平衡輸送 / 非晶質固体 / ボソンピーク / 低エネルギー励起 |
研究開始時の研究の概要 |
アモルファス物質が普遍的に示す熱伝導異常(熱伝導度の温度依存性に現れる20k-30k付近プラトー)の起源を、我々が最近発見したガラス状態で形成される力のネットワーク構造と非調和性(Nat. Commun.11, 4978(2020))や、ガラス状態に特有のストリング的な振動励起(Nat. Phys.18,669-677(2022)などの新しい視点から、理論、シミュレーションを駆使して明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
非平衡な無秩序状態にあるガラスは、秩序ある平衡状態にある結晶とは異なるユニークな振動特性を示し、熱伝導異常を含む、低温物性の決定的な違いにつながっている。我々は、2次元モデルガラスの大規模分子動力学シミュレーションを用いて、準局在振動(QLV)の性質について研究を行った。その結果、低周波と高周波で相対的に重要な2種類のQLV、四葉型振動と弦型振動を同定し、その性質を明らかにすべく研究を行った。四つ葉タイプのQLVは、マトリックスに機械的フラストレーションを与える異方性欠陥に由来する。四葉型QLVは、遠方ではべき乗減衰型の横振動を示すが、コア部、さらにその中心部ではそれぞれ体積振動とひも状振動を示す。これらの振動は機械的特性に大きな影響を与えるが、ボソンピークへの寄与はわずかであると考えている。同様の4葉型QLVは、欠陥のある単原子結晶でも観測されている。一方、ストリング型QLVは体積変化を伴わない純粋な横モードであり、ボソンピークに寄与するが、一次元(1D)であるため機械的フラストレーションは生まないことを反映して、せん断弾性には直接結合していないことを見出した。単原子結晶では、1次元のひも状運動であっても必然的にマトリックスと強く結合するため、ひも状のQLVを持つことはできず、したがってボソンピークを持たない。すなわち、四葉型QLVと弦型QLVの決定的な違いは、前者が機械的にマトリックスを歪ませるのに対し、後者は歪を生まない点にあると考えている。このような異なる性質を持つ2種類の非フォノニックQLVの存在に関する知見は、低温特性を制御するガラスの低周波振動の理解につながるものと期待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
The origin of the boson peak has long been debated, with theories attributing it to elastic heterogeneity or (quasi-)localized modes. By decomposing the phononic and localized components in the dynamic structure factor, we can discern the features of localized modes and heterogeneous elasticity. Additionally, we remove the contribution from quasi-localized modes by preparing an unstressed system. Our findings reveal that the boson peak comprises two distinct aspects: one being phononic, as it can be reproduced from the pseudo dispersion, and the other being localized, characterized by a dispersion-less feature in the dynamic structure factor. Furthermore, the existence of quasi-localized modes and Ioffe-Regel crossover are not prerequisites for the boson peak.
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今後の研究の推進方策 |
The boson peak is closely associated with the dip in sound velocity and the inflection of sound attenuation. We plan to elucidate the underlying mechanism of phonon attenuation in amorphous solids, particularly focusing on the origin of Rayleigh-like scattering below the boson peak frequency and the transition from Rayleigh to non-Rayleigh behavior near the boson peak. By comparing the spatial distribution of the non-affine components in (quasi-)localized modes and phonon propagation, we seek to clarify the distinct roles of elastic heterogeneity, multipolar excitation, and string-like motion in phonon attenuation.
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