研究課題/領域番号 |
22KF0150
|
補助金の研究課題番号 |
22F42006 (2022)
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
奈良間 千之 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50462205)
|
研究分担者 |
DAIYROV MIRLAN 新潟大学, 自然科学系, 外国人特別研究員
|
研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2024年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2023年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2022年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
|
キーワード | 氷河 / 氷河湖 / 氷河湖決壊洪水 / UAV / モレーンコンプレックス / 天山山脈 / モレーン |
研究開始時の研究の概要 |
中央アジア,キルギス共和国に位置する天山山脈では,2000年以降にわずか数週間~数ヵ月間に氷河湖が形成・消滅する「短命氷河湖」と呼ばれるタイプの氷河湖災害が多発している.これまでの研究成果により,短命氷河湖の形成要因について,トンネル閉鎖タイプと融解量増加タイプがあることが明らかになった.本研究では,衛星データ解析と現地調査から,短命氷河湖が発達するモレーンコンプレックス内部のトンネル構造,モレーンコンプレックスの地形変化,トンネル閉鎖タイプの閉鎖と開放の仕組みを明らかにする.また,トンネル閉鎖タイプの湖の拡大速度と融解量の関係からトンネルのサイズと閉鎖の影響を明らかにする.
|
研究実績の概要 |
近年氷河湖決壊洪水が生じている天山山脈北部地域に置いて,氷河湖の現状を理解するために,現地調査と衛星画像解析を実施した.2023年7月にキルギス山脈とテスケイ山脈で氷河湖の現地調査をおこなった.近年大きく面積が変化するテスケイ山脈のトゥップ氷河湖1,2において,水位計と地温計の設置,ドローン空撮を実施した.また,キルギス山脈のジュラミシュ氷河においてドローン空撮と水位計の設置をおこなった.ジュラミシュ氷河においては,2017年に実施したドローン空撮データから作成したDSMと比較し,モレーンコンプレックス上の湖盆と氷河湖の拡大を確認した. 現在の氷河湖の形成時期と形成過程を調べるため,1960~1970年代に取得されたCorona衛星のステレオ画像データを用いてキルギス山脈のオルソ画像とDSMを作成した.Landsat(7,8,9,10),Sentinel-2,PlanetScopeなどの衛星画像と比較した結果,キルギス山脈の氷河は1968年~2021年の53年間で31%消滅したことがわかった.キルギス山脈では,2000年頃~2021年に多くの氷河湖が確認されたが,このうちの79%は2000年以降に新規に出現した氷河湖であった. 次に,デッドアイスが岩屑に覆われたモレーンコンプレックスのモレーンコンプレックスの地形変化を調べた結果,1968年~1991年に急激に湖盆地形の数が増加していた.また,1991年~2021年には湖盆地形の数はわずかに減ったが,湖盆地形の面積が拡大していた.氷河湖の形成には氷河縮小とモレーンコンプレックスの地形変化が大きく関わっていることがわかった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年7月に現地調査を実施し,ドローン空撮や水位計の設置をおこなった.キルギス山脈のCorona衛星画像のオルソ画像とDSMの作成に取り組み,1960年代~現在までの氷河面積変化,氷河湖数の変化,モレーンコンプレックスの地形変化のデータを得ることができた.
|
今後の研究の推進方策 |
外国人特別研究員の期間が2024年8月までに現地調査をおこない,Corona衛星画像の解析結果の論文を投稿する.
|