研究課題/領域番号 |
22KF0184
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補助金の研究課題番号 |
21F50007 (2021-2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2021-2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分90030:認知科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
足立 幾磨 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 准教授 (80543214)
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研究分担者 |
VOINOV PAVEL 京都大学, ヒト行動進化研究センター, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2023年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2022年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2021年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 協働 / 行為表象 / 比較認知科学 / 協働課題 / 他者表象 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトは自身の目的や意図を他者と共有することで、複雑な協力行動をおこなうことができる。複雑な社会の中で生活をする人にとって、このような社会的認知能力は最も重要な能力の一つといえる。そのため比較認知科学において、こういった協力行動の進化的起源を探る試みは長いこと注目を浴びている。しかしこれまでの研究の多くは協力行動の有無の報告にとどまっており、協力行動を支える認知機構を綿密に調べた研究はほとんどない。本研究では、タッチスクリーンをもちいた2個体の協力課題遂行時に、被験体間でそういった共表象が生成されるのか、を分析する。
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研究実績の概要 |
ヒトは自身の目的や意図を他者と共有することで、複雑な協力行動をおこなうことができる。複雑な社会の中で生活をする人にとって、このような社会的認知能力は最も重要な能力の一つといえる。そのため比較認知科学において、こういった協力行動の進化的起源を探る試みは長いこと注目を浴びている。しかしこれまでの研究の多くは協力行動の有無の報告にとどまっており、協力行動を支える認知機構を綿密に調べた研究はほとんどない。 そこで本研究では、タッチスクリーンをもちいた2個体の協力課題遂行時に、被験体間でそういった共表象が生成されるのか、を実験的に分析する計画を立てた。 本研究では、単独条件として、一個体ずつ実験室に連れてきて装置への馴化を済ませたのち、数字系列課題を実施した。単独条件での基準成績に到達した個体から、順次ペア条件へと移行した。ペア条件のテスト場面においては、各個体は隣接する別の小部屋に入り、その部屋の中から共通のタッチスクリーンを操作し課題を遂行する。相手個体の行動はアクリル越しに観察可能であり、この状態で数字系列課題を協働しておこなった。加えて、どうしても複数個体場面では課題をおこなわない被験体について、ヒトがパートナーを務める対ヒト条件を設定しテストをおこなった。現在もデータの解釈にかかわる議論を継続しているが、これまでのところ、パートナー側に提示されている数字に割り当てられていた色が被検体側の数字に用いられた場合に、被験体の成績が低下することが確認されており、これは協働する他個体の行為についての表象を有している可能性を示唆する結果といえる。しかし一方で、その他の統制条件でも被験体の成績に低下がみられることがあるなど、明確な結論は得られなかった。今後さらなる研究の展開がまたれる。
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