研究課題/領域番号 |
22KF0202
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補助金の研究課題番号 |
22F22099 (2022)
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 (2023) 補助金 (2022) |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
木下 こづえ (2023) 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (50724233)
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研究分担者 |
POKHAREL SANJEETA 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 外国人特別研究員
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受入研究者 |
木下 こづえ (2022) 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (50724233)
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外国人特別研究員 |
POKHAREL SANJEETA 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2024年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アジアゾウ / 尻尾 / 安定同位体 / ホルモン / 食性解析 / ストレス生理学 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者および分担者らは、これまで糞から野生ゾウの生理状態を明らかにするとともに、動物園のゾウの毛を用いて、毛からも個体のストレスを評価できることを明らかにした。 本研究では、毛中ストレス評価にさらに焦点を当てる。季節、性別、年齢、動物種によって毛の成長率がどの程度異なるのかを明らかにする。 その上で、毛中安定同位体およびコルチゾール分析により、ゾウが過去に経験した食餌状態とストレス状態の変化を調べる。 毛から過去の生理および栄養状態を明らかにできれば、生体だけでなく、死体、あるいは絶滅した動物の標本からも情報を得られるようになる。生物学分野における新たな学術領域の発展につながることが期待される。
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研究実績の概要 |
本研究期間の主な成果は、安定同位体比分析を完了したことであった。国内の動物園で飼育されていたアジアゾウの尻尾の毛サンプル16本から約580個の毛セグメントを作成し、京都大学生態学研究センターの共同利用施設を使用して、δ15Nとδ13Cを測定した。その結果、一部を除いて各個体の安定同位体比は毛サンプルごとに異なった。予想通り、飼育個体は安定した給餌環境下にあり、季節的な餌資源不足に直面していないため、安定同位体比変化は明確な季節変動を示さなかった。また、アジアゾウの尻尾の毛に保存されている生理学的マーカー(ホルモン)の測定にも焦点を当てた。ストレスに関与しているとされているコルチゾールを毛サンプルから分析し、アジアゾウに関するストレス生理学研究成果としてさまざまな国際フォーラムで発表した。また、マレーシア大学とインド科学大学との研究協力関係を確立し、野生ボルネオゾウや野生インドゾウのストレス生理学研究を開始した。さらに、日本で絶滅したゾウへの応用も図るため、国内でナウマンゾウやマンモスの資料を保管している研究機関とのネットワークの構築も進めた。 これまでの野生および飼育下アジアゾウのストレス生理学に関する研究成果が評価され、優れた女性科学者に贈られる第 16 回京都大学たちばな賞(奨励賞)をSanjeeta Pokharelが受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に加え、新たにマレーシアとの共同研究も開始するなど当初の研究計画に加えて新たなプロジェクトを開始するに至った。一方で依然としてホルモン測定結果は未完了であったため、上記区分の進捗状況とした。
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今後の研究の推進方策 |
同位体分析分析が完了したため、以後はホルモン分析に注力する。加えて、野生アジアゾウにも本研究を応用する予定である。本研究計画を実施するため、インド科学大学との研究連携を開始する。また、日本の絶滅ゾウについても応用の可能性を測る予定である。
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